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おにのさうし

ブログを見返してみると、去年1年、夢枕 獏を読んでないみたいですねぇ。
けっこう、優先順位高い方にあると思っていたのに。ちょっとビックリ。
けっこう、いろいろな長編も完結したり、完結に向けて動き出したりしているので、今年は積極的に読んでいきたいのです。

でも、長編は今までの流れとかがあって、もう1回読み直したい気持ちになるんですよねぇ。

そう考えると、短編は読みやすい。安定、安心の面白さが、すぐに楽しめます。
基本、わたしは長編読みで、シリーズ物読みなので、こういう短編がうまい人というのは、貴重です。まあ、夢枕 獏は、どっちも上手いですが。

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マンガホニャララ

こういうエッセイを読んでいると、わたしはマンガ、量は読んでるとは思うけれど、ディープなマンガ読みじゃないよねぇとも思います。

世の中には、まだまだ知らない面白いマンガがいっぱいありそうな気分にも、知らんでいいマンガがいっぱいありそうな気分にもさせてくれる良書です。
基本多分、この人とマンガの趣味は合わないような気がするけれど。

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魔女の宅急便 ジブリの教科書5

これが、最大のヒット作。
なぜか、力を抜いて作ったら、大ヒット。

まあそれでも、他の若い人が監督するはずだった話を横から無理矢理奪った感は、ものすごくあるなぁと。そして、多分、鈴木さん、そうなるのわかってたというか、煽っていただろうというか……。

ものすごく、時代ともマッチしていたんだと思います。

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二〇〇二年のスロウ・ボート

彼が治療に何の効果もなくて、自分がそんな者必要なく良くなったのだと考えるのなら、それはそれで、結構。
つまり、治療がとても上手くいったということなのだと思う。

という感じで、アレのリミックスということで、かなーり、ギチギチに警戒して読み始めた「二〇〇二年のスロウ・ボート」ですが。
コレは、アレの100倍ぐらいおもしろいです。
というか、どこまで行っても、ストーリー指向です。古川 日出男。雰囲気だけで書いているアレとは大違いだと思います。

まあ、これはわたしがストーリー指向であるためだと思います。

そして、これも偽史。ここでも、さりげなくフィクションの歴史が、現実を侵略してきます。
徹底している。

特に好きなシーンは、ブラック・ジャックの様に、女子高生が制服の裏の包丁を見せたるところ。
そこから先の疾走感は、最高です。

そういえば、このお話では、走るっていうのが、ものすごい大事なテーマになっています。脱出のために。そして、何かを得るために走る。
最後の手紙まで、本当にドキドキして読みました。

でこねぇさんは、この本を見て、

「これ、あの怖い話書く人だよねぇ」

といっていました。
わたしは、この人、怖い話というイメージはまったくないのですが。
ひたすら、中二的にかっこいい。

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火垂るの墓 ジブリの教科書4

不思議だ。
「トトロ」で語られる言葉は、全部いらない言葉に聞こえるのに、「火垂るの墓」で語られる言葉は、1つ1つが重くて、何かを伝えようとしていると感じられる。

どっちの作品が、優れているとは言えないと思うのだけど、「トトロ」は語られることを拒否する物語で、「火垂る」は語りを誘発する物語であるようだ。

そこが、宮崎 駿と高畑 勲という2人の天才の、違いなのかも。

信用できないと思っている妹尾河童の語る野坂のエピソードさえ、ちゃんと聞こえてくる。
そして、野坂本人にすら、語らせる力が、この映画にはあったのだろう。

そして、そこまでの作品であるにもかかわらず、監督の高畑自身の欲望は、深く深く、物語のなかに、原作の中に隠されている。

大塚さんの話は、楽しいのだけども、最近のいつものように、ちょっと自分の政治的な思想に寄せて考えすぎだ。
自分の政治的な主張を強化するためだけに「作品」があるのだとしたら、それはつまんないことだと思う。
それから、多くが宮崎との対比で高畑が作った的なことを書いているけれど、どうも、鈴木 敏夫の話なんかを聞いていると、相手の作品を気にしているのは宮崎の方で、もし本当に対比させて作ったのだとすれば、それは、「火垂る」に対比させて「トトロ」が作られているということだと思う。

おそらく、それ以前の宮崎作品への高畑からのメッセージというのはあると思うけど、多分、「トトロ」の表現の細部を気にして「火垂る」が作られた訳ではないだろう。

もちろん、この題材を選ぶ時点で、「トトロ」との対比ということは意識されただろうし、宮崎が自分のいなところで、なにをどんな風にかくのか、ある程度は、高畑は知っていたし想像しただろうけども。
多分、高畑からの直接のメッセージは、「天空の城ラピュタ」と「かぐや姫の物語」が対応しているみたいに、ものすごく長いスパンのもののような気がします。

歴史に残る映画です。
見たら、トラウマも残るけど。

けど、その棘を心に突き立てたまま、ぼくたちは活きていく。