大塚英志,読書ロリータ℃の素敵な冒険,僕は天使の羽根を踏まない,大塚 英志,徳間書店

ロリータ℃の素敵な冒険

「マダラ」。いろいろな展開が予定されていたみたいなのに、「僕は天使の羽根を踏まない」で、「もうすでに終わってしまったマダラ」がかかれて、どうやら、他の物語はかかれなくなってしまいそうです。

それと同じように、このお話も、「サイコ」の「終わったあとのサイコ」みたいな感じで、いつでも、終わってしまえる状態になったなぁというのが、この本の感想です。

あぁ、この本にはなんかたりないと思っていたら、笹山さんが出てこないんですね。
でも、笹山さんって、本質的に、犬彦と同じような役割の人間なんだなぁ。だから、2人でてくる必要はなかったのかも……。

あれ?サクって、マダラのスペアの1人だったっけ?だとしたら、℃は、正しく麒麟のスペアだったのかも。

そうすると、この物語自体も、「サイコ」ではなくて、「マダラ」の再話だったのかもしれない。

いろいろな「情報」が意味もなく、わたしのまわりを浮遊して……その情報を再構築して、物語を作っていく。
それが、大塚英志の本当に意図したところなのかも…。