なんて素敵にジャパネスク 人妻編1
なんか、前のラスト付近で、思いもしなかったハゲなキャラクター(たしか吉野の君)にだだ泣きさせられた思い出はあるのですが、内容は、まったく覚えていないという。
だいたいにして、るり姫と「お伽話」の姫さんとの見分けがついていません。
読んだのは、何年前だ??
でも、読めばだいたい人間関係がスーッと入ってきて、無理なく読み進められるというのは、なかなか、素晴らしいです。
氷室 冴子は、もう1回読み直したい作家さんです。
生前、最後の短編集。
彼女の頂点。
表題作は、ちょっとオチは見えていたかなぁと思います。
でも、どうすりゃいいねんと思いますよねぇ。そして、それをずっと考えてきたのが、三原 順だったんだなぁと。
特に後期は、この本に書かれたような軽快な悪意が、この人の中で大きな問題だったのかなぁと感じました。
自分にはあまり悪意がないのに、ものすごく人を傷つける(心理的にだけではなくて、本当に生存権も脅かすほどね)こともある。
「帽子物語」と「夢の中 悪夢の中」は、まったく逆のことを書いている。
人とふれあってわかり合うためには、ぶつかっちゃうこともある。でも、ある程度それを受け入れていかないといけない。
その天秤の間で、揺れ動く。