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笛吹伝説 最終戦争シリーズ4

わたしの記憶が確かなら(そして、だいぶ怪しいのですが)、最初に読んだ山田 ミネコ作品は、「パトロールシリーズ」でした。徳間書店のアニメージュコミックス。
場所は、おそらくJR大津駅(もしかしたら国鉄だっかも)の上にあった本屋さんです。

それまでは、浜大津の浜書房なんかで、花とゆめコミックスの表紙は見ていたと思いますが、あの独特の絵に抵抗があって、手には取らなかったのです。
多分、その頃、竹宮 惠子の「地球へ…」にはまっていて、その流れで、山田 ミネコという人がいるというのを聞いていて、手に取ったのだと思います。

それがおそらく、「パトロールシリーズ」の最終巻。結婚式が載っている巻で、これがけっこう面白かったのです。
まあでも、そこにはあったのは、確か最終刊だけだったと思います。

その後、最終戦争シリーズを読むようになって、大都社の「パトロールシリーズ」を購入したのですが、こっちには、なぜか、結婚式のエピソードがなかったのです。
もはや、アニメージュコミックスは手に入らず、それで満足するしかないかと思っていたのですが、今回の文庫シリーズには、ちゃんと結婚式まで入っていて、読んだ時は超うれしかったのを覚えています。

トルント沼沢地

この話を始めた時点で、「花とゆめコミックス」版の小角とこの「パトロールシリーズ」の小角が、同じ人かどうかは、多分、作者の中では決まっていなかったのではないかと。
まあ、好きな顔出し、同じ顔(絵柄変わっていますが)なので、同じ名前で小角にしておこうぐらいの感じだったのではないでしょうか?そんなことないのかな。ほら、「ふふふの闇」にも小角出てくるから、そんな感じかなぁと。

まあ、別の出版社で出ているマンガのストーリーを引きずるわけにもいかないということもあるためか、1話、2話は、見事なほど最終戦争のことは描かれていません。
というか、1話目は、読み切りの予定だったみたいですね。
この1話をいきなり受け入れるその頃の「リュウ」の読者って、レベル高いわ。

夢魔

セラフィム登場。
ここから連載ということは、この後のセラフィムと小角の追いかけっこは、ある程度、計画されていたのかなぁと思います。

笛吹伝説

ここでやっと、最終戦争があったことが語られます。
すごいなぁと思うのは、すでに「冬の円盤」の時には合法化されている時間移民が、それ以前のパトロールシリーズの時代にはまだ違法であるというところですねぇ。確かに、それが合法化するには、もうそうしないとにっちもさっちもいかない状況に追い込まれなければならない。
でも、主人公に、未来では合法になる犯罪を追わせるって、けっこうないことだと思います。

でも、こうやって読むと、小角って、けっこうドジも多い気がします。

金星・地球・火星

まあ、小角とドクターは、1度出会っていたというエビソードです。
他の星は、最終戦争があって、どれぐらいのスパンで滅ぼされたんでしょうね。1000年、2000年単位ではなさそうです。
ものすごい長いスパンの話に感じているけど、デーヴァダッタから見たら、けっこう、この物語自体も短い時間の1エピソード位にしか感じていないのかもしれません。

放電空間

これよく、小角、首にならなかったなぁと思います。
まあなんせ、最終戦争後は、人が足らないということなんだろうなぁ。

雨の降る日は天気が悪い

今度は、小角はセラフィムを知っていて、セラフィムは小角を知らない。
こういう、時間があっちいったり、こっちいったりのお話は、楽しくてシビれます。

最後、エンマに怒られるまでパターン化してきました。

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塩の街

これが、デビュー作かぁ。強いなぁ。
自衛隊3部作の最初の書。

まあ、このタイプの男が好きかといえば、かなり苦手なのですが、それをそんなに感じさせないですねぇ。
なんとなく、アンナ・カヴァンの「氷」を思い出したりもしました。あれは完全に閉じていく話で、これは、まあそれでも広がってく話なのですが。

そして、いよいよ「図書館戦争」に突入できるわけです。

角川書店,角川グループパブリッシング
発売日 : 2010-01-23

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緑の少女 最終戦争シリーズ2

自我系の暗黒めぐる銀河の魚

これも、凄いかっこいい題名ですよねぇ。中二なんて、言葉がまったくなかったときのこのSF感覚。
そして、内容も、ものすごく閉塞感のある今だからこそ理解できるものはあるのですが、ものすごい絶望的なお話です。もう、多分マンガの中で、1歩も2歩も、前を歩いていたと思います。

SF指向、歴史指向のある24組の中でも、特別ですよねぇ。

これが、唱の初登場。
多分、唱は、竹流をもてあそんでいる。もしかすると、やりたいことは竹流の才能を潰すことだったのかもしれないと思います。

市会議

主人公は、竹流から小角に。
この流れ、そして、「緑の少女」、「パトロール」という流れ。ものすごい広がりがはじめから仕組まれているのがわかります。

まあ、この状況の中、この時期の小角が、かなりニヒルなのも仕方ないと思います。

緑の少女

この後、竹流の活躍がなく、いきなり「パトロール」に物語が展開していくというのが、この閉塞感のある未来の世界の絶望を表していると思います。

この歴史とSFを合わせる手法は、あとの少女マンガ家にものすごく影響をあたえて、今日でも、その影響下にあると思われるマンガは多いです。

パトロール

ついに、「敵」の一端が明らかになる。
唱は、こうみると初めから、特別な存在だったようですね。

火星人と竜の城

最近の絵柄の作品。
いつもは、バーツマコの恋バナが多いのですが、珍しく、ダ・マーヤの方のお話です。

でも、詩集の手紙とかを見てもわかるように、基本、この二人がデキているので、他の人はあんまり入る余地がないという。

セラフとザンベジ川

この話、妙に好きなんですよねぇ。
ときどき、あっち側に行ってしまいたいというような気持ちに、ものすごく共振してしまいます。

なんか、そういうこともあるかもしれないと思えてきます。

さらに新しい絵柄だと思う。目が大きいし。

「セラフとザンベジ川」に続いて、永遠に生きていく2人のちょっと悲しい感じのするお話です。

まあ、短すぎて、どんな事情があって殺されて幽霊になったのが、相手がどれぐらい悪いヤツなのかは伝わった来ない部分はあるのですが。
主眼はそこではなくて、流れていく時間にあるのです。

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SHE IS NOT THERE パトロール伝説1

いよいよ、「パト伝」です。
まずは、真砂流の復活。
今まで、デーヴァダッタは黄泉の王以外には女しかいなかったのですが、どうやら、真砂流は新型のデーヴァダッタになったもよう。
このからみで、「最終戦争シリーズ」と「ふふふの闇」とがくっついていく構想があった(もしくはある)のかも。文庫版のあとがきでは、しきりに、「ふふふの闇」も合流するとかいてました。それはそれで楽しいと思うのですが、下手に合流すると、登場人物の説明がまた必要になったりするので、難しいのではないかと思ったりもします。
まあ、「最終戦争シリーズ」だけ読んでいて、「ふふふ」を読んでない人はいないかな??特に、同人誌に手を出しているような人間は。
黄泉の王が、代替わりしたとのか?とか、いろいろ思うのですが、今のところは、先をお楽しみな感じです。

まあ、永都と小角と真砂流が並ぶ絵というのは、なかなか、マンガではできないことだとも思えるので楽しいです。
しかし、そんなに似てるか?とも思うのですが。

「彼女がここにいない」というのは、よく考えたら、けっこう「最終戦争シリーズ」では、底の方にいつも流れているフレーズですねぇ。小角にとっては、もちろんセラフィムですが、星野にとっては笑。唯にとっては侏羅。竹流にとっては唱。
いつも、誰かがいないなかを、心に穴をあけたまま生きていかなければいけない。

SHE IS NOT THERE
パトロール伝説(1)

山田 ミネコ

あとりえだば
http://daba.cart.fc2.com/

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冬の円盤 最終戦争シリーズ1

さて、いよいよ最終戦争伝説シリーズです。
最初は、白泉社の花とゆめコミックス版から出ていたお話。このあたりのお話が読めたのが、この文庫シリーズが出て1番うれしかったことです。
山田 ミネコ自身が、秋田書店のプリンセス・コミックス版では、「同じ様な題名でかいていた古い作品があるけれど、あれは別の世界の話だから忘れて」的な発言をしていて、もう出す気がないのだと思っていました。
こうやってみると、でも、明確にこれらの話を前提として話がつくられています。

うーん、元気だったら、このあたりの話も、書き直したりするつもりがあったかもと思ったり。

冬の円盤

円盤が、アダムスキー型なのが、なんとも時代を感じさせます。
真砂流は、「風のし天使」の落ち着いた雰囲気からしか知らなかったので、やんちゃな感じで、ちょっとビックリしました。
まあでも、まだ子どもだったということなんでしょうね。

でも、絵柄がかわったとはいえ、星野はしっかり星野です。そして、9歳の笑を見初めているという。ちょっと、危険だな、この人(笑)

わたしのなかでは、すっかり大人組である笑にも、こんな時代があったということで、やっぱり、山田 ミネコは成長をかけるマンガ家なんだなぁと思います。

誕生日がこない

「誕生日がこない」
まず、題名が凄いですよねぇ。

恋愛については、なんというか無茶な展開というか時代を感じたりもしますが、それでも、こんな話をかく人って、まあ、いないよねぇと思います。

笑は、自分の体が弱っていくのを感じています。星野の迎えが自分の死に間に合うかどうかと不安に思っている。
でも、星野の方はというと、笑が死んでしまう未来をそれこそ、何月何日まで知っていて、それを待っている。

実は、お話の軸ってそれだけで、あとの登場人物たちは、それぞれの人生を右往左往しているだけという感じもします。

時間移民として、笑を連れて行くことは正しいことかどうかひたすら悩み、自分の魅力にも悩み、絶対的に笑の意志を尊重する星野の真面目さ。でも、笑にちょっかいをかける男子には、冷静にきつい一言をかけるところとか、星野かわってないなぁと思います。

西の22

唯。
秋田版の唯しか知らないわたしの唯のイメージは、サイボーグ。
それから、「木は花の天使のオレンジ」というあの素晴らしい題名の短編での子ども時代の姿だけです。

ということで、この話を読んだ時は、唯がサイボーグじゃなくて、彼女の方がサイボーグだったりして、いろいろ戸惑いました。
あと、カーニバルな場面が、なんでこんなに続いているのだろうという印象がありました。

これはでも、アストロノーツとマリンノーツとの文化の違いとか、世界の違いをかくためには、必要だったのかなぁと今読むとわかります。

侏羅は、もっと弱くて、もっと利己主義で、もっと人間的で、もっと魅力があるというのが、このお話の中心。そして、物語は、いよいよ最終戦争が始まり、怒濤の悲劇へ。この突き放したラストは、今読んでも凄いです。

ペレランドラに帰りたい

最初、この2人が、ダ・マーヤとバーツマコだということがわからずに、なんでこの話がここに収録されているのだろうかと悩みました。
特にダ・マーヤ。長髪でないので、全然、わからなかった。星野とかは、顔が変わっていてもわかったんですけどね。
そういえばでも、秋田版の方でも、この2人の話はあったかな。

この次の「遙かなり我が故郷」は、まだSFなのですが、これは、本当にSFだったのかどうかもわからない感じの話になっていて、そこがまたミステリーな感じなのです。

まあでも、金星は滅んだはずなので、あれは戴冠の花火ではないような気がします。

山田 ミネコは、シナイとアビラとセリスなら、セリスでありたいと願うようですね。

遙かなり我が故郷

コメディな2人……でもないですねぇ。
けっこうシリアス。
でも、あとがきを読むと、また、コメディに(笑)いや、コメディと呼ぶには、重いかも。

ダ・マーヤの髪がちょっと伸びて、今の顔に近づいて来た感じです。
この2人の関係って、どれぐらいモデルの2人のことを反映しているのだろうかと、ちょっと気になりますねぇ。
詩とか見ていても、かなり長い付き合いなんだなぁと思うし。リアルな関係を物語に持ち込むのは、けっこう勇気がいると思うのですが。

そういえば、バーツマコは、テレポートができたのでした。