上弦の月を喰べる獅子 下
「百億の昼と千億の夜」のように、作品中で本当に、五十六億七千万年流れるわけではないのですが、スケールの大きさは、匹敵するのではないかと。
でもそのスケールの大きさを、宇宙ではなく、地球に足をおろしたまま表現したところに、この作品のすごさがあると思います。
物語的に必要な「問い」の「答え」は、実は最初からわかっているんですよねぇ。
でも、そこに至るまでの過程は、やっぱり、五十六億七千万年必要な気がします。
そして、それは刹那に同じ。
「百億の昼と千億の夜」のように、作品中で本当に、五十六億七千万年流れるわけではないのですが、スケールの大きさは、匹敵するのではないかと。
でもそのスケールの大きさを、宇宙ではなく、地球に足をおろしたまま表現したところに、この作品のすごさがあると思います。
物語的に必要な「問い」の「答え」は、実は最初からわかっているんですよねぇ。
でも、そこに至るまでの過程は、やっぱり、五十六億七千万年必要な気がします。
そして、それは刹那に同じ。
「愛の旋律」……訳名つけた人、出てこい!!といいたくなりそうな題名ですね。
ミステリーじゃないクリスティーです。もともと、アガサ・クリスティー名義ではなくて、メアリ・ウェストマコット名義で書いた作品だそうです。
展開は、ベタベタです。
2人の女性の間で揺れ動く、天才音楽家……みたいな。それを幼なじみたちを交えて、少年時代から書いていく。そしてもちろん(笑)、記憶喪失もあります。
もう、ここまでやるかというぐらいベタな展開なのですが、「マリンブルーの風に抱かれて」の時にも書いたのですが、クリスティーや、矢沢 あいみたいな、話作りがうまい人がやると、すごい迫力になります。
若干、迫力過多な気もするぐらいです。
でも、650ページ弱、一気に読ませる小説です。
クリスティー文庫、表紙いいよな。うまいよな。……内容とは、あんまり関係なかったりするけれど。
早川書房
発売日 : 2004-02-20
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ついにこの夢枕 獏の最高傑作を読み始めましたよ。
ものすごく、理屈先行でつくられている話のはずなのに、ものすごくエンターティメントしているところが、この人の凄いところです。
これは、格闘描写という同じことを何度も何度も、しつこいほど繰り返してきたこの人だからこそできることだと思います。
でも、上巻を読み終えた今、まだ、山場はないです。
下巻で、どんなクライマックスを見せてくれるのか、楽しみにしていよう。