ただ一言のための五十六億七千万年

夢枕獏,読書

上弦の月を喰べる獅子 下

「百億の昼と千億の夜」のように、作品中で本当に、五十六億七千万年流れるわけではないのですが、スケールの大きさは、匹敵するのではないかと。

でもそのスケールの大きさを、宇宙ではなく、地球に足をおろしたまま表現したところに、この作品のすごさがあると思います。

物語的に必要な「問い」の「答え」は、実は最初からわかっているんですよねぇ。
でも、そこに至るまでの過程は、やっぱり、五十六億七千万年必要な気がします。

そして、それは刹那に同じ。