謎のクィン氏 クリスティー文庫53
短編か……。
クィン氏……聞いたことないわ……。
ということで、期待せずに読み始めて……。
何話かを読んで、「こんな、都合いいことあるわれなんやん」という感想を抱いた頃、「海から来た男」で、ガーーーンと衝撃を受けてしまいました。
やっぱり、すごいわクリスティー!!!!
以下、ネタバレありそうなので、隠します。
ダン・ブラウンの「天使と悪魔」の真相に迫る1冊。
こういうことに興味を持たせて、目を向けさせるという力をもっているので、フィクションにも意味があるのかなぁと思います。それを鵜呑みにしたらダメだけどね。
まあ、「事実である」と書かれていても、それをひっくるめてフィクションというのは、見えてないといけないと思います。
でも、それぞれ立場によって「真実」が違うという事実も、こうやってみてみると見えてきて、けっこう楽しかったです。
今までの「ロアルド・ダール コレクション」は、子ども向けの本1だったのですが、これは、これは、どっちかというと大人向けの短編集です。
執筆の順番からすると、これらが初期のもので、その後に子ども向けを書くようになったという感じなんでしょうか?子ども向けのものと平行して書かれたような気はしませんでした。2
子ども向けのものに比べると、ちょっとメチャクチャ度も、完成度もおちてします。
いや、子ども向けじゃないだけに、そのムチャクチャなところが、浮いちゃっている感じです。
オー・ヘンリーの短編みたいな楽しさは、ないですね。
そしてあいかわらず、訳者あとがきは、イヤな感じ。
シャナラの剣の秘密が、今、明らかに!
「シャナラ・トリロジー」と聞いていたので、てっきり、「指輪物語」と同じように、全6巻ぐらいのお話だとおもっていたのですが、シェイのシャナラの剣をめぐる物語は、これで、完璧に完結しています。
そして、この上下2巻のなかに、ギュッと、「指輪物語」のエッセンスが詰め込まれている感じです。
王位をめぐる兄弟の対立、魔力あるアイテムに魅入られた者、旅の仲間たちが別れてそれぞれの義務を果たしていくさま……。
多分、テリー・ブルックス自身が、メチャクチャ指輪物語を意識して、この物語を作ったのだと思います。
そして、ギュッと詰め込まれた分だけ、展開もはやく読みやすいです。
シャナラの剣の秘密も、単純なパワーアップアイテムに脱していなくて、これだけでも、わたしは感心しました。この人の本、続きを読む価値あると思いました。1
でも、軽さは浅さでもあります。
もうちょっと、掘り下げて書いていって欲しいと感じるところも、多々あります。特に、情念の部分は、けっこうあっさりしすぎな感じです。
だから、こここから入っていって、いつかは、トールキンと出会って欲しいなぁという気はします。
「デクトラ・クエスト」よりは、子どもたちにオススメしたい物語です。でも、子どもが読むには、軽さが足りないかなぁ。
微妙な位置づけの物語です。