武内涼,読書ホラー,妖怪,山田 風太郎,甲賀忍法帖,角川ホラー文庫,角川書店

忍びの森

初、武内 涼です。
あらすじをよんでいる限りでは、おもしろそうなんだわ。しかし、山田 風太郎が読みたいと思って読み進めると、ものすごいミスリードされて肩透かしを食らいます。まあ、これは、この本が「ホラー文庫」から出ていることを考慮しなかったわたしが悪いのかもしれません。

東亰異聞」の感想でも書いたけれど、2つのジャンルのおいしいとこどりをしようとして両方活かし切れなかったり、片っ方を期待した読者から失望されるというのは、割とよくあることではないかと思います。「東亰異聞」のように、あれだけケンカするジャンルを見事にくっつけたのは、なかなかないです。
今回は、「忍者」と「ホラー」。「ホラー」というよりは、妖怪退治になるのかなぁと思いますが。で、わたしは、あきらかに「忍者」よりで読んでました。作者的にも、ミスリードしてビックリさせたいというのはあったのかな。いや、もともと、そんな意識はなくて、勝手にミスリードされただけかもしれませんが。

で、閉ざされた森の中で起こる怪異も、絶対なんだかの敵の忍術的なものだと思って、けっこうワクワクしていたら……。妖怪。なんじゃそら!!
いや、わたし、妖怪すごく好きですよ。でもこれ、今まで積み上げてきたものが崩れてないか?
これが、物語の最初で示されたのなら、けっこうノレたかもしれないのですが、、半分過ぎた頃って遅すぎないか?そして、そこでも「甲賀忍法帖」のパロディやってて、また、若干のミスリードするし。

「やられた」「上手く、欺された」というよりも、「えー、期待していたのと違う」という印象が強かったのです。

まあ、最後まで読めたし、つまんなくはないんですが、だから、ちょっと評価は保留な感じです。

そっちよりの人なんだと思って、次回作を読んでみて、読み続けるかどうか決めよう……。と思って、「そっちより」と思って読むとまた、欺されたりして。

山田ミネコ,読書パトロール伝説,山田 ミネコ

海の碧に染まる パトロール伝説26

影、暗躍。
まあ、やっと物語の表に出て来たかという感じですねぇ。

今は、黒闇が主人公陣営にいるから、デーヴァダッタとの戦いよりも、こっちの方がメインになっていくのかも。
しかし、一向にお話が完結するようには思えないという。

海の碧に染まる
パトロール伝説(26)

山田 ミネコ

あとりえだば
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池上彰,読書池上 彰,集英社,集英社文庫,

そうだったのか!日本現代史

現代史。連立政権が出来るまでぐらい。
政府のやることは変わらず、敵対組織に分断を起こして力を弱める。今と同じ。そして、まんまと分裂していくという。
もしかしたら、民主主義というのは、人間には高度すぎるのではないかという絶望感して湧いてこない。

こうなると、天才に独裁して欲しいなぁという欲求が強くなるのだが、もちろん、ぼくたちは天才を見分けることなんてできないという……。

大暮維人,舞城王太郎,読書たがみ よしひさ,ジャンプ・コミックス,バイ オーグ・トリニティ,ヤングジャンプ・コミックス,ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ,大暮 維人,舞城 王太郎,集英社,

バイ オーグ・トリニティ13

ん?
ループを断ち切ろうとした話を知っているぞ……。
と思って、考えていたら、たがみ よしひさの「化石の記憶」だった。1985年。ループ物なんて言葉ができたのは多分2000年代だと思うから、その天才に震えます。
まあ、あれは今回ループから逃れることができなかった。でも、なんかいもループするうちにきっとほころびが……。それを信じてループを続けようみたいなラストでした。

で、そのループを回避するほころびはなにかという、たがみ よしひさが出した宿題を、延々と探し続けることで今のループ物の流行があるのかもしれない。
これも、そんな話の1つじゃないかと感じながら読んでました。

栗本薫,読書ぼくの地球を守って,まぼろし新撰組,天まであがれ!,新撰組,木原 敏江,栗本 薫,角川文庫,角川書店,

まぼろし新撰組

栗本 薫が書いたラノベという感じの1冊。
もともとは、お芝居用の脚本を小説にしたものだそうです。
まあ、脚本書いたあかぎ はるなも、栗本 薫なんですけどね
良い感じで肩の力が抜けていて、けっこう好きです。1992年の作品ということで、まあ、時代は感じちゃうんだけれど。まだ、今ほどラノベもなかったかな。「ぼくの地球を守って」は1986年スタート。「魔法騎士レイアース」は1993年。そういう時代のお話。
そういう時代の空気をやっぱり栗本 薫は、ものすごく肌でとらえていたんだなぁと思います。

エンタメに振っている(ただし、栗本 薫が思うエンタメなので、どっちかというセンチよりです)ので読みやすいし、おもしろいです。わたしらの世代のエンタメという感じはしないでもない。切ないお話です。

ずっと読んでいる間は、沖田の顔と土方の顔は、木原 敏江の「天まであがれ!」の絵が浮かんでいました。きっと、栗本 薫のイメージもそうだったのではないかと思ったりしています。
中田 雅喜のイラストもあっているのんですけどね。しかし、中田 雅喜って、あの「ももいろ三角」の人ですよねぇ。こんな絵柄もかけるのだとびっくりしました。元々多才な人だとは思っていたが。
同姓同名の別人ってことはないよね?