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紫の結び1 源氏物語

「源氏物語」のメインストーリーだけを抜き出した物語で、ものすごく読みやすいです。
ある意味、今まで1番読みやすかった「あさきゆめみし」よりも、読みやすいかも。

源氏物語には、作者複数説があって、特に、前半部と後半の宇治十帖の物語のことをいわれることが多いのですが、実は、前半部だけでも、「藤壺」-「葵の君」-「紫の上」-「朧月夜」-「明石の君」-「女三の宮」の貴種流離譚ラインと「空蝉」-「夕顔」-「玉鬘」の中の品の女ラインのお話で、作者が違うのではないかといわれたりしているようです。

まぁ、作者が違うかどうかはわからないのですが、多分、書かれた順番は、メインの貴種流離譚ラインが書かれてから、サブの中の品の女ラインの話が書かれたのは、確かなような気がします。

サブの話は、

「もっともっと源氏の話を聞きたい」

という声に応えて書かれた外伝みたいなものではないかと思っています。

で、これは、そのメインのラインだけを書いていて、物語としてものすごく読みやすく、ストーリーの一貫性もあるのです。
紫の上と源氏が出会うあのものすごく印象的なシーンは、たしかに、物語のこれぐらい前半部にあるべきだと思います。
というか、今回、読んでて、「若紫」が物語のはじまりだったんじゃなかろうかとすら思ったりしました。

まあでも、誰に向けて書かれているのだろうというのは、謎ではありますね。
この本を読んでもらいたいと思っている年齢層って、いくつぐらいなんだろう。
中学生以上出ないとつらいし、ほのめかしとか考えると、高校以上かなぁという気がします。

この書き方で、メインラインを書いた後、サブのラインや、宇治十帖も、荻原 規子に書いて欲しいとちょっと思った。

俵万智の「愛する源氏物語」以来、宇治十帖が好きなのです。

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RDG6 レットデータガール 星降る夜に願うこと

最終巻。
まあ、この先、問題は山積みでどうなっていくのかわからないけれど……というのは、「西の善き魔女」と同じ様な感じです。
敵も味方も巻き込んで……というところも、似てる感じがします。

そういえば、この学園の雰囲気は、女子校ではなかったけれど、トーラス女学院的な雰囲気もありました。6巻読んでいる間、主人公たちが、そういう一種のアジールをここに作り出そうとしているのかなぁという気がしていました。

多分、荻原 規子のなかの学園が、そんなイメージなんだろうなぁと思います。仲間がいて、ライバルとも競い合って成長していく。

そう考えると、えー、ここで終わりって感じるところもアルのだけれど、とっても気持ちいいお話でした。

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グリフィンとお茶を ファンタジーに見る動物たち

徳間書店のWebサイトで連載されていたエッセイが元の本です。
連載中から、1冊の本になるのを楽しみにしていて、やっと読みました。

テーマが動物で、そこから連想される本の紹介みたいな感じでお話が進んでいきます。

「ジャングル・ブック」とか、読みたくなります。

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RDG5 レットデータガール 学園の一番長い日

決戦の学園祭です。
まあ、決戦まで言うと言い過ぎか(笑)

でも、なんか、この2巻でやっと、物語の輪郭が見えてきて、物語が動き始めたな~と。

親たちとは、違う道を探すという深行。なかなか、男前だ。

でも、それすら、歴史の通りに進んでいるようにも見える。はたして?

割とこの作者、突き放したところで終わっちゃう所があるので、どんなところに物語の終わりを持っていくのか楽しみです。

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RDG4 レットデータガール 世界遺産の少女

前巻ぐらいから動き出しているお話ですが、ここに来て、一気に見通しが良くなった感じで面白いです。

学園祭の準備をしながら、同時に無理なく、大きなお話も進行しています。
なんだか、現代劇なんだけれど、上田 ひろみシリーズよりも、勾玉のシリーズに近い気がするのは、カラスのせいだけではないよね。
なんか、現実的な動きと、ファンタジーの動きのバランスが、ものすごく良いのです。

好みなバランスになってきてうれしいです。
最後の結論は、「恋人は守護霊」みたいな感じになるのかなぁ。