ドラゴンランス伝説5 黒薔薇の騎士
彼の支配する世界は、きっと慈悲深いと思っていた。
でも、その世界で、ブーブーは、死んでいた。
きっと大好きな「あの人」のことを最後まで、心配して。
そして、やっと、「許せない」と。
キャラモンとともに、読者もそう思わなければなりません。
確かに、「ドラゴンランス」を読んだ人が求めるようなものは、「ドラゴンランス伝説」の方にはないかなぁと思った1冊でした。
だから、どっちかというと、レイストリンもしくか、双子ファンにむけた外伝みたいなのりで読むべきなのかなぁ。
わたしは、けっこうレイストリンのファンなので、許しているところがあるのかもしれません。
ただ、キャラモンの欠点が見えてきたり、時間テーマのSFの様にも見えるこの作品というのは、やっぱり、物語の水準としては、とっても高いと思います。
だから、「ドラゴンランス」の続編という色眼鏡をかけないで読む方が、楽しめるかも。
実は、「伝説」が、前の「ドラゴンランス」ほど売り上げがよくないと聞いて、ショックを受けています。
たしかに、パーティをくんでなかったりと、RPG小説(というのがあるのかどうか知らないが)のお約束からは、はずれちゃっているのですが、すごいおもしろいと思うのですが。
でも、確かに、ちょっと「少年らしさ」みたいなものは、少なくなったかも。
1巻は、モロに生活臭のするお話でしたし。
でも、その分、みんな、人間らしく書けていると思います。
肉体に引っぱられるレイストとかは、とっても魅力的です。
うむ。コンプレックスが強いので、この魔術師は、大好きですねぇ。
きっと、彼のことが好きな人は、みんな自分の弱さを知っている人だと思います。
これで、今まで買っただけで読めなかったシリーズに続いていくことができます。
おもしろい。