ワンダービット5 熱血SF短編集 ハルマゲドン失敗す(上) 島本和彦 漫画全集
「ハルマゲドン失敗す」上巻。いや、前のカメムシ男のときもだが、そもそも、短編集で上下にタイトルをわける意味はあるのか。
そして、熱血SFというジャンルそのものが、実は思いっきり笑わせにきているのではないか。
いろいろ、思うところはあります。
島本作品のなかでも、実験的な要素が特に高い作品が詰まっています。
さすがに、年刊のシリーズ本を読むのに1冊3年かかっていたらまずかろうと、この巻から、ちょっと読み方を変えてスピードアップしています。前の巻の感想から3カ月。
ということで、ちょうど10年前のSFです。
まあ、前巻ぐらいから、メチャクチャ読みやすい作品ばっかりになっているし、もうちょっとスピードアップして、3カ月に1冊ぐらい読めるようになったら……1年で4冊ぐらい読める予定なので……2025年ぐらいになれば追いつくと思います。
今回、印象に残ったのは、「機巧のイブ」、「百万本の薔薇」、「Wonderful World」、「銀河風帆走」あたりです。「機巧のイブ」はなんかで有名になっていて作者はしらないけれど題は知っていた。「百万本の薔薇」の高野 史緒は「ムジカ・マキーナ」でうまいのは知ってるし、「機巧のイブ」はなんかで有名になっていて題は知っていた。瀬名 秀明も有名どころ。今まで、そんなにわたしの心に引っかかるところはなかったのだが、今回は良かった。ということで、有名どころというか話題になっていた作品はやっぱりおもしろいなぁと確認した感じです。
まあ、「銀河風帆走」は、「創元SF短編賞」の受賞作で、まったくノーマークですが。
なんか、わかりやすいお話を好む傾向になって生きているなぁと思います。年取って、あんまり考えたくないのかも。そうすると、「SF読んでる意味は?」って、ちょっとなる気もしますが、ミステリーよりも、こっちの方が、ずっと好きなんですよねぇ。
「Apple TV」で、ついに、あのアシモフの「ファウンデーション」が映像化!!
ということで、無料お試しに入って見てました。
えーと、悪くないところもあるのだが、全体的な感想としては、
「お前等、原作おもろないと感じているのなら、オリジナル作れや!!」
というものでした。多分、シーズン2が作られても、見ないのでは……。いや、皇帝がクローンとかはけっこうオリジナル要素としておもしろかったし、キャラクターがおっちゃんから若い娘にかわっていても、そんなに抵抗はないです。その辺の改変は、おっさんばっかりの地味なドラマになることを考えれば、ある程度仕方ない。ロボットの存在があるのも、ファウンデーションとロボットのシリーズが合体していったのを見越して考えればアリだと思います。
でも、気になるのは……。
そもそも、「歴史心理学」を乱す存在が出てきすぎで、これって物語の根底がけっこうあやうくなっている気がしました。原作ではミュールが出てくるまでは、そういう存在はいなかった。ハーディンとかも、特別なはずれ値な人間ではなくて、優秀ではあるが計算の内に出てくることが予想される人材だったと思うのですが……。「はずれ値」って、誤差の範囲内の話で、決して奇跡を起こす人って意味ではないよねぇ……。
というところが、メチャクチャ気になったので、マンガ版で読み直し。
こっちはきっちりと原作準拠なので、出てくる人はおっさんばっかりです(笑)表紙も、ハリ(老人)を中心に5人のおっさんという……。
でも、ドラマ版よりも、やっぱりはるかにおもしろいし、しっくりきます。
これを実写ドラマにすればいいのにと思ってしまう。
創元SF文庫から出直した原作も、また読まねば。
Xメンのメシア、ポープを守るために、ケーブルは時間を旅する。
追っ手は、ビショップ。
そして、ケーブルも、ビショップも、未来から来た者同士だというのが、ややこしい。
時間旅行を繰り返すことで、どんどん違う世界ができてしまうというのが、今のマーベルの宇宙だとすると、結局していることは問題の解決ではなくて、より良い未来への可能性を残したいというだけで、結局、自分のいた本来の未来は変えられないんですよねぇ。
そして、創り出そうとしている未来は、もしかしたら、どこかにもうすでにある世界の1つですら、あるのかもしれない。
予言された破壊をただそうとした努力そのものが、破壊を招いてしまうというのは、タイムパラドックスな物語ではありがちな展開ですが、歴史が改編されてしまったのかどうかすらもわからないという……。
あたま、ゴチャゴチャしてきますが、それがSFの魅力でもあります。