結界師16
烏森の秘密があって、ラブコメがあって、お母さんの話があって、なかなか、バラエティにとんでいます。
いろいろなものをバランスよくみせてくれている感じです。
なかなか、うまいな、この人。
後半も、凄い話です。
幸せの絶頂と不幸のどん底が、交互にハリーを襲います。そこにあるのは、「選ばれたる者の恍惚と不安」。
そして、ハリーの父親とスネイプの過去が少しだけあきらかになります。
まさか、こんな過去だとは思いませんでした。ローリングは、ものすごく残酷で、平等に人に描いていきます。
教師たちや、大臣も、理想的な人間ではあり得ない。ダンブルドアトですら情のために間違えを犯す。それを暴いていきます。
その平等な目は、ハリー自身にも注がれているのがわかります。
たしかに、彼は、いろいろな意味で特別扱いをされています。それが、はじめの「賢者の石」や、「秘密の部屋」のときは、鼻についてイヤだったのですが、今の彼は、たしかにその評価に値する人間に思えてきます。
もちろん、性格は、けっこうイヤなやつなんですけどね。でも、修羅場をくぐり抜けてきた分、貫禄がでてきた気がします。
あと、今回の話は、ミネルバが大活躍でした。今までも、わたしのまわりにはファンが多かったのですが、わたしも今回の活躍でファンになりましたねぇ。
思春期の葛藤が、これでもかとかかれている今回の「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」でした。
登場人物が、少年期から、確実に青年期に向かって成長している。成長が見える希有なシリーズです。
次回は、まだ葛藤を引きずるのか?それとも、青年期として自立していくのか?
楽しみです。
「ブクログ」のレビューは、ネタバレがいっぱいですので、読んだ後で見ることをオススメします。
どこかで見たようなシーンがはさまれるのは、題名と同じく、わざとです。
好きなものをなんでも放り込んだかのように見える物語ですが、すごく計算されて組み立てられた部分も多いです。
そして、いろいろな物語の断片のようでありながら、しっかりと「西の善き魔女」という全然別の新しい物語でもあります。
多分、同じような物語を読んで育ってきたから、たまらない部分があるんだろうなぁと思います。
子どもの部分と大人の部分が、うまく、同居していて、それがくすぐられている感じがします。
まあ、そういう理屈を抜きにして、「第二章 暗躍する花々」という題名を見ただけで、素敵で爆笑してしまうのですが。花々、暗躍するなよ!!いやでも、本当に、そういう話なんですけどね。
「そこの、色魔みたいな人!」
も、素晴らしい。もう、忘れられん。
物語全体が、舞台劇のような感じです。宝塚とかでも、似合いそうです。
しかし、小学校の図書館にこの本がさりげなくあるわけですよ。一部、良い反応をする子どもは、きっと、すごい教育をされるな(笑)
でも、そういう意味でも、いい本だと思います。