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ブラックジャックによろしく8

医者が(というか、人が)、本当に人が死んでいくということにそこまで真剣に向き合うことが可能かどうかわたしは、疑問に思っています。

例えば家族であるならば、それは、1回だけむきあう死です。

でも、医者は、何回も何回も、それと向き合っていかなければなりません。

もちろん、今までの時間を一緒に生きていた家族と、病気になってから知り合った医者では、その人がいなくなったときの悲しみには、差があるだろうから、その悲しさを比べてみたりすることは出来ません。

でも、日常的に死と向き合っていくということは、どこかで、感情を殺していかなければ出来ない仕事のような気がします。

辻本さんの経過は、実は、「あきらめ」、「死をうけいれる」という普通の癌患者の経過のパターンと違っていなかったのではないでしょうか?

「その状態を『悟った』状態というのは、間違えではないか?」

という疑問には、未だに答えが出ていません。
もちろん、答えが出るわけでもないのですが……。

昔は、もし自分が死ぬとしたら、そのこりの時間を知っておきたいと思っていました。
でも、最近は、知らない方がいいのかなぁとも思っています。

父は昔、「告知してほしくない派」でしたが、最近、「告知という道もありかなぁ」と言っていました。

年とともに死に対する感じ方や、考え方も、かわっていくのだと思います。
だとすれば、あとは、告知されるにしろ、告知されないにしろ、周りの人間をどれだけ信頼していけるのかという世界になってしまうのかもしれません。

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ブラックジャックによろしく7

癌はけっこう身近な病気だけに、重いです。
身内には、見せられんマンガになってしまっています。

しかし、現在、癌治療中の人がこのマンガを読んだら、どう感じるんだろう。
連載の扉とか、コミックにも、注意書きは書いてあるけれど、反応はプラスだけではないはず。

書く方も辛いのか、けっこう連載も休み休み続いています。
1回なんか、目次に載っているのに掲載されていないなんてことがあって、ビビりました。

もしかすると、出版社サイドからしてみたら、無理してまで載せたい内容ではなくって、そういう圧力もあるのかもしれませんねぇ。

多分、奇跡は起こらないとして、いったいどこに物語をもっていってくれるんでしょう。
次巻、「がん医療編」完結とかかいてあるのですが、とても、あと1巻でおさまるとは思えない内容です。

しかし、厚生省の作ったシステムというのは、薬害エイズのときといい、腐ってるな。

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ブッキングライフ1

また微妙な世界を選んだもんだ。
臓器移植。昔「コーマ(昏睡)」という本を読んだせいか、あんまり脳死の臓器移植には、いい印象がありません。

まあ、そういうギリギリの生死の現場で、自分の信念のままに仕事をしている人がいるということで。

わたしも、ドナーカード持っています。
実は、臓器移植は、希望しないになっていますが。
別に脳死になっても生きていたいとか考えているわけではなく、わたしが、自分が死んだ後に、自分の体の一部がどこかで生き続けていると考えるのは、あんまり気持ちいいことではないなぁと感じるからです。
死んだら、消えてなくなりたいです。

もちろん、それは、人それぞれの感じ方の違いがあると思います。

「ブラックジャックによろしく」的なノリを期待していたので、物語的には、ちょっと、不満かな。

でも、これから、「どうしようもないこと」をこの作者がどういうふうに書いていくのかは、興味があります。

ブッキングライフ(1)

高田 裕三 / 講談社(2003/08/05)