邪悪の家 クリスティー文庫6
長編ポワロも、6作目。
だいぶん、クリスティの嘘のつき方にもなれてきて、犯人当てができるようになってきました。
それでも、この入れ替わりのトリックには、意外でしたねぇ(笑)
ちょっと、日本人には、わかりにくいですが。
でも、結局この事件って、ポアロがいなければ、起こってなかったのでは??
そうではなくて、いずれ、起きたのか?
うーん、これはクリスティーにしてはイマイチ。
と、思ったのは、けっこう数を読んで飽きてきたせいかもしれません。まあ、あとヒロインが、いまひとつ好きでなかったからかも。基本的に、もてる人の心理ってわからないので。
すぐに、心変わりしそうな感じがするところが、何ともはや。
でも、終盤のみんなが主人公に「どっち?」て質問するところは、好きです。
まあ、ただしクリスティーにしてはという但し書きがつくので、標準以上のできではあります。
しかし、あのトリックは……。気づけよ、警察。というか、わたしも気づかなかったんだけど……盲点なのか?
「愛の旋律」……訳名つけた人、出てこい!!といいたくなりそうな題名ですね。
ミステリーじゃないクリスティーです。もともと、アガサ・クリスティー名義ではなくて、メアリ・ウェストマコット名義で書いた作品だそうです。
展開は、ベタベタです。
2人の女性の間で揺れ動く、天才音楽家……みたいな。それを幼なじみたちを交えて、少年時代から書いていく。そしてもちろん(笑)、記憶喪失もあります。
もう、ここまでやるかというぐらいベタな展開なのですが、「マリンブルーの風に抱かれて」の時にも書いたのですが、クリスティーや、矢沢 あいみたいな、話作りがうまい人がやると、すごい迫力になります。
若干、迫力過多な気もするぐらいです。
でも、650ページ弱、一気に読ませる小説です。
クリスティー文庫、表紙いいよな。うまいよな。……内容とは、あんまり関係なかったりするけれど。
早川書房
発売日 : 2004-02-20
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