三国志9 出師の巻
終盤です。
曹操も、劉備も死んでいく。
そして、孔明の南蛮行。これが、なんか無駄に長い。
なんというか、崩壊の足音が近づいて来ている感じです。
古川 日出男は、見てきたように小説(ウソ)を書く。
いや、もしかしたら、本当に見てきたのかも。
二人称の短編連作小説。1話ごとに、主人公も語り手も変わっていく。
最後で語り手が誰か明かされるけど、明かされた語り手が、本当に主人公の行動をすべて見れる位置にはいないのに語っていたという不思議。そして、それでも見えていると強引にいっちゃうところが、この小説のすごいところだと思います。
「ハート/ハーツ」を読んでいるときは、今ひとつノれない文体だなぁと思っていたのですが、「ブルー/ブルース」で加速した。格好いい。いつも、この人の小説に感じるのは、この格好良さです。中二的な。それは、物語的なといってもいいかも。
ニヒルだけれど、正しいことはきっとあるよという強いメッセージであったり、この風景のなかに、いつか行ってみたいと思わせるもの。
どこか一線でリアルを超えて、よりリアルに感じる世界。
題が長いです。
まあでも、その分、キャッチーかな。見事にわたしは捕まっているわけですし。
人間関係を豊かにして、100倍楽しむ方法が書かれているわけです。
でもねぇ、100倍楽しくなるためには、100倍努力して自分を変えて、100倍リスクも抱えなければならない訳で……。
しかも、作者な人たちは、もともと飲み会には這ってでもいくような人たちじゃないですか(笑)
いや、そのしんどい思い分のリターンがあるのかどうかは、やってみないとわからないけどもリスクと負担がが多すぎるとと思ってしまいます。そして、そのリスクと負担をなんでわたしが背負わなければならないのと思ってしまいます。
もちろん、わたしと接しているとき、その負担を背負ってくれている(気を遣ってくださっている)人がいっぱいいることは、わかっているつもりなんですけどね。
まあだから、出来ることから。