黒鷺死体宅配便6
おっ、ひいた。
このマンガ、いろいろ謎はあるんだが、こんなに明確にひいたのははじめてかな?
でも、次の巻になったら、すっかり忘れられたようになっていて、宅配業が始まっていたりして。
唐沢の後の人の正体が、いよいよ明らかになるのかな?
最後についている外伝によると、柳田 國男の時代の人間らしい。
でも、正体は、やっぱり、さっぱりです。
柳田 國男の名前を知ったのは、きっと大塚 英志経由だと思うので、高校生ぐらいの時かな?多分、大塚 英志のマンガを民俗学的に読み取るという評論のなかだったと思います。
そして、「遠野物語」は、高校の時の読書感想文の課題図書の中にあった。実際にわたしが読書感想文を書いたのは、カフカの「変身」で、他の本は読んでいません。
そして、「遠野物語」と「変身」以外は、題も著者も覚えていないのだから、「遠野物語」は、そのときから、ずっと引っかかっていたのだと思います。
内容は、なんとなく聞き知っていた。なんか、昔話みたいな話らしいと。
大学で、「文化人類学」の講義をうけて、おもしろかった。そこで、日本にもよく似た「民俗学」という学問があると聞いた。その大家が、柳田 國男らしいという話も聞こえてきた。
「民俗学」というものの輪郭が、なんとなく朧気に見えてきた。
「遠野物語」。いつか読んでみたいと、新潮文庫の本も持っていたと思いますが、読む機会がないままウン10年。
今回、やっとこさ、その「遠野物語」と、柳田 國男の作品に触れることが出来ました。
昔話だと思っていました。
違っていました。
ここで語られる遠野のお話は、もっともっと身近なこととして語られていました。
そして、アウトローに生きることすら認めてしまう大きさ。
嘘を笑い飛ばして、生きていく強さ。
そこはかとないユーモア。
「草の名と子供」を最初に読んだとき、いや、草の名は子どもが考えたのではなく、大人が考えたのだろう。昔の人は、今の人以上に草と接している時間があったのだからと、思いました。
それから、フッと自分の間違えと、柳田 國男の正しさに気づきました。
そう、昔の子どもは、大人以上に、ずっとずっと草と接し続けていたのだと。そして、そのまま大人になっていたのだと。
この人の目は、決して優しい目ではないと思う。
でも、なんでも、受け入れてしまう大ききな大きな目です。
そして、今、自分がこの年齢だから感じられることもいっぱい入っていると思います。
出会えて、よかったです。
あすな ひろしは……全然、知らないです。
「ジャンプ」とか、「マンガ少年」だとかの名前が挙がっているので、絶対にどっかで見ていても不思議でない人なのですが。
今まで特集されてきたマンガ家は、ほぼ知っている人ばっかりだったのですが。この人は、絵柄も含めてしらないです。
でも、こうやって、みなもと 太郎が解説すれば、少女マンガの原型も、青年マンガの原型も、作ったようなすごい人のようです。
みなもと太郎の知識はすごいです。
これで、この「comic新現実」という雑誌は終了なのですが、この雑誌で1番の収穫は、このみなもと太郎の対談かも。
この対談が本になっているのなら、探さねば。
対談集を読んで、萩尾 望都というのは、やっぱり天才だなぁと改めて思いました。
メッセージを伝えるために、いろいろな層へ伝わるように、何重も何重も仕組みをつくっておくという。それは、自分がそれぞれの層を想像して、理解しておかなければならないということです。
しかし、安彦さんって、かなりこの世界では、重鎮なお年だと思うのですが、それでも、まだいっぱい野望をもって、落ち着きたくなあなぁと思っておられることがよくわかります。
だから、大塚 英志との元気いっぱいの(けんか)対談も、それほど悪い感じではないです。
しかし、大塚さん、最近、誰にでもかみついてないか?前から、それが芸風か?