アッホ夫婦 ロアルド・ダール コレクション 9
なんていうか、見た目の醜さを、精神面のせいにしてしまうところが、どうしても受け入れられないのです。
この夫婦だって、なんか楽しそうに暮らしてるじゃないですか。他人が、外からどうこういう問題じゃないでしょ。
キライですねぇ。
するする読めちゃうところが問題ですが。
子どもの頃に読んだ大好きな本に、プロイスラーの「小さい魔女」がありました。
で、同じ作者の同じシリーズとして、これも子ども時代に期待をして読んだ本が、「小さいおばけ」でした。
でもなぜか、この「小さいおばけ」は、全然おもしろく感じなくて、以降ずっと、「小さい魔女」はおもしろいけど、「小さいおばけ」はおもしろくないとインプット去れ続けていました。
今回は、ドイツ子どもゲーム大賞にこの物語を原作にした「小さなオバケ」が選ばれたということで、ん十年ぶりに読み返してみました。
もっとも、子どもの頃に読んだのは、多分ですが「小さい魔女」と同じ学研から出ていたと思います。
「小さい魔女」は、時代をこえて学研から出続けていますが、こちらの「小さいおばけ」は、学研版が絶版になって、新たに徳間書房からでたもののようです。
うーーん、1回、絶版になっているのか~。もしかして、やっぱり期待薄かなぁ~。
てなことを考えながら読み進めたのですが、けっこう楽しく読めました。アレ?なんでだろう。
鍵束なんかは、ものすごく魅力的なアイテムですし。
ゲーム版「小さなオバケ」を遊んだから……ではないな……。
今回、読んでみて、まったく以前読んだ記憶がなくて、「あんまりおもしろくなかった」という印象だけが残っていたことが判明しました。
なんで、子どものわたしにとっては、この物語はおもしろくなかったのか?
いろいろ考えてみたのですが、まず、この話が、わりとずーーっと小さいおばけ1人で展開していくお話で、地味だということがあるのかもしれません。
特に、おばけが、昼のおばけになったあたりからは、ふくろうのシューフーすらでてこない。
イタズラとか楽しいことをいっぱいしていても、なんとなくある「さみしさ」が、子ども時代のわたしにとって、不快感になっていたのかもしれません。
次から次へといろんな人に出会っていろんな事件がおこる「小さい魔女」にくらべると、やっぱり、期待していたものと違う~という思いは、あったみたいです。
あと、おばけの時計と大時計が連動しているとか、そういうのも、理解していなかったのかも。
でも、大人になってから読む「小さいおばけ」は、自分の世界を守っていくおもしろさみたいなものが感じられて、けっこう楽しんで読めました。
いいなぁ、これ。
けっこう、最後までドキドキして読み進みました。
最後の方なんて、戦いばっかりだったと思うのですが、すごい印象がよかっです。
そうくるか!次は、どうなる!
みたいな展開ですねぇ。
主人公のグボーンは、ちょっと爽やかすぎるだろうという感じではあるのですが、それが、ファンタジーのいいところでもあるなぁと思います。
グボーンが「選別」すれば、力は得るけれど、敵の標的になるという設定も、けっこう、衝撃的でした。
単純じゃないない「世界」をきっちりと作り上げています。
最後のレイスたちの場面も、けっこう圧巻でした。
うーん、どうやってまとめていくのか。続きが気になる作品です。
ハードカバーの本は、単純に読みにくいので敬遠しがちですが、これはそれよりも、読みたい気持ちが勝っていました。
良いです。
2巻目を購入しに行こう。
まあ、ゲームとして、他人の能力値を吸い取ってしまうというのはアリだと思います。
で、この小説も、もっとゲームゲームしたものだと思っていたのですが……。なんというか、酷いわ。
ゲームでは見えてこないはずの(きっと見ないことになっている)、悲惨な部分をしっかりと描写しています。
多分、日本の作品ならば、こういう描写は許されないんでないかなぁ……。
そして、問いかけてくる。いったい、何が「正義」かと?
ここでファンタジーは、物語のテーマを明確にさせる装置として、とてもきれいに働いています。
ファンタジーを読むしあわせを感じさせてくれる物語です。