地味だ…

アーシュラ・K・ル・グウィン,読書

影との戦い ゲド戦記1

わたしは、よく考えると「ナルニア」も「ゲド」も、映画になるまで読んでないんですね。

自分が、ファンタジー読みだと思っていたのですが、実は、古典的なものにあんまりふれていないことに最近気がついてきました。
いろいろ周辺の解説なんかを読んで、知識はあるんですけどね。

まあ、今から読めばいいか(爆)

ということで、ゲド戦記の1巻目です。

第一印象。

「あぁ、地味だ(爆)」

自分の中で、ものすごく期待が膨らみすぎていたのかもしれません。
昔から、「名作」と聞いていた、あのゲド戦記です。名高いル・グウィンです。

でも、ちょっと待て。わたしは、ル・グインを昔読んだことがある。
サンリオSF文庫の「辺境の惑星」です。確か、竹宮 恵子の表紙にひかれて購入した。
でも、その本は、今はない。
そして、ル・グウィンを読み続けてはいない。
なんでだ???

もしかすると、そのときの印象も、「地味」だったのでは……。

以下、ネタバレありです。

アーシュラ・K・ル・グウィン,Ursula K. Le Guin,
清水 真砂子
岩波書店
発売日:2006-04-07
 

「影の本当の名前は?」

その1つの謎、1つのオチに向かって物語が動いていきます。

このオチなのですが、これきっと、この作品が発表された当時には、ものすごく画期的なことだったのだと思います。
でも、それから時間がたって、「ゲド戦記」が古典になっていく過程で、いろんな物語のなかで、何回も繰り返すことになりました。

たとえば、このテーマは、わたしは紫堂 恭子が書き続けているテーマと同じだと思います。
そして、わたしは、そういう巧みな古典以降の作品に出会ってしまっています。

もしかすると、どこかで解説を読んでいるときに、このネタばらしをされていたのかもしれません。
でも、これぐらい単純な話だと、多分、途中で気づくと思います。

そう、影の真の名は……。

推理小説のようなおもしろさはあるのですが、推理小説と一緒で、ネタが途中でばれてしまうと後の展開がしんどくなっていきます。
それは、この物語が、かなり地味な単調な作りだけに、余計にそう感じのかも。

うーん、子どもの時に出会っていたら……この単調さに耐えられたかなぁ。驚きは、あったかも。

でも、物語が伝説になっていく最後の締めくくりは好きです。
これからの物語にもちょっと期待を持たせている。

「でも、ゲドは、あとの巻の方が面白いよ」

という話も聞きましたので、続きを楽しみにしています。