世界は不思議でできている

梨木香歩,読書

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

あぁ、これは好きです。

「裏庭」で気になっていた、「あちら側の世界」がないというのも大きいのですが。

なんとなく読みながら、コエーリョの「アルケミスト」を思い出しました。
そう、「賢者」には、こんな風に、生活に根付いたところにいて欲しいものです。

実は、ここにかかれている不思議というのは、全然、不思議ではないのかもしれません。
おばあちゃんぐらい先が見通せる人なら、あらかじめそうしておくことも可能かと思います。

でも、そうだとしても、やっぱり「不思議」は残ります。
そういった不思議をいっぱい積み重ねて、今のわたしたちがあります。

自分らしい自分を受け入れること。
でも、自分らしいとはいったいどういうことなのかを問い続けること。
自分で、決めること。

最後の1ページ。
次に書かれている文字は、めくる前から、きっと読者にもわかっています。
でも、それを目にした瞬間、ブワッときてしまいました。

渡りの一日

「西の魔女が死んだ」の後日譚です。

しかし、潔いほどおばあちゃんの影はでてきません。もちろん、その影響は、空気のように物語の中に、まいに浸透しているのですが。

まいの心が軽くなった分、物語的にも、軽くて明るい色合いが感じられて、このお話好きだなぁと思いました。

ある意味ストーリーがよめちゃう部分もあるのですが、それが、スッキリとはまってとても気持ちいいです。

「裏庭」を読んでいたときの違和感はなかったです。

ということで、もうちょっと、梨木香歩を読み続けてみようと思いました。