わたしはあい1
講談社の外薗 昌也といえば、「ワイズメン」とか、「犬神」とか、「エマージング」とか硬派なイメージなので、この「わたしはあい」には、ビックリしました。
しかしこの題名、「わたしは真悟」に似ている。意識を持つAIというところも、なんか似ているかも。
ストーリー展開は、似てもにつかないが……。
しかし、あいや、マルチたちの生きている世界というのは、存外悪くない気がする。
人は、「機械のこころ」すら、受け入れられるかもしれないと夢想するのは、ちょっと楽しいです。
主人公が、けっこうダメダメちゃんで、脇に天才的な人が配置されているので、この主人公っていったい……と思っていました。
「根っからの臨床医」。現場の人間であるということが、この主人公を形作ってるもののようです。
今までの物語だと、「臨床医」であることと「研究医」であることは、けっこう対立的にかかれていたのかなぁと思いますが、今回は、そのあたりのことも、すごく、平等にかかれていくようです。
でも、自分の身近な人が、次々に病に冒されていくというこの物語は、ものすごくきつい。きつすぎる感じがします。
SFや思想に逃げる様子もないようですし、ここからいったい、どんな、物語を見せようとしているのでしょうか。