仮面ライダーSPIRITS9
一文字と洋のやせ我慢が熱いです。
こういう物語を読んで育つ意味は、あると思います。
そして、完結編です。
あんまり長くは続かなかったなぁ。でも、長く続けちゃうということは、悲劇的なことがいっぱいおきてしまうということでもあるので、これでよかったのかも。
充分に、悲劇はいっぱいおこっていますので。
たとえだれも理解することができなくても、愛することはできるし、理解することはできる。
そんなふうな結論に達したのかなぁ。
そして、セイは、救えなかったリンの魂を救えた?
シンの嫁さんは、かなりシンの仕事のことで苦労をしたみたいですが、烈については、その心配もなさそうだし、チャイニーズマフィアの未来は、明るいな。
最後、セイの姿を出すとは思っていませんでした。
わたしのイメージでは、原作の「仮面ライダー」の本郷剛みたいに、脳みそだけ残っている感じだったのですが……。
実際はどうだったのかは、コミックでお読み下さい。
あれはでも、アリサにだけ見せて、読者にはみせないという演出が美しかったのではないかと思ったりします。
謎のインド人(笑)にはじまるこの物語。
そう、ぼくが子どもの頃ぐらいまでは、こんな風に、世界は妖しくて広くて、偏見に満ちあふれていたんだなぁと。そして、ワクワクがたくさんあった。
で、今は、世界は狭くなり、それなのに混沌として、やっぱり偏見に満ちあふれているという。そして、ワクワクは少なくなった気がします。
それは、ただ単に、自分が年を取ってしまっただけなのかも……。
「怪人二十面相」に比べると、どうしても、2作目はおちるような気がしますが、それでも、子どもにとっては、ジェットコースターのような物語だと思います。
読んでいる途中で修羅場が入って、かなり間をあけてから後半を読んで、後半しかあんまり覚えていないので特にそう思うのかもしれませんが、
「少年探偵団あんまり活躍してないやん!」
前は、二十面相逮捕までの大活躍だった気がするのですが(笑)
これって、仮面ライダーの元ネタみたいなお話ですねぇ。
蝙蝠男は出てくるし(笑)
そして、ぼくらの仮面ライダー隊……じゃなくて、少年探偵団たちは、大活躍でした。
というか、二十面相の今回の目的は、ただ単に、少年探偵団の子どもたちを怖がらせることだという……。
二十面相……そして、乱歩……。素敵だ(笑)
B・Dバッチや、社会に貢献しようという少年探偵団たちの性格をついた罠には、正直、ドキドキワクワクと感心しました。
そして、洞窟の罠では、
「ご苦労!!」
と言ってあげたいぐらいです。
……なんで、子どもを楽しませるためだけに(笑)そこまで……。
見習わなければなりませんねぇ。
「ワハハハ……、これはおかしい。これは傑作だ。明智君、君は探偵小説を読み過ぎたんだよ。小説家の幻想に慣れすぎたんだよ。如何にも探偵小説にありそうな結論だね。ワハハハ……、実に傑作だ。こいつは愉快だ。ワハハハ……」
この諧謔、これが、乱歩の本質なんだなぁと。
だから、悪者も、正義の味方も、生き生きしています。
以下、ネタバレありです。