チャールズ・ウォードの奇怪な事件 クトゥルフ恐怖譚
こう、恐怖はあるのだけれど、決してしっかりとは見えないというところが、ホラーなんだろうなぁと。
そのあたり、ダーレスには難しいのかも。
まあでも、そこが雰囲気を出しているところだけれど、そこがもどかしくなんともつまらなく感じる部分でもあります。
だから実は、ダーレスも好きです。
クトゥルー神話として明確に形になる前のラヴクラフトの神話っぽい話の詰め合わせマンガ。
まあ、ラヴクラフトには、「夢の国」という便利なものがあるから、全作品をごっちゃ煮にしても大丈夫かな。
お互いに、矛盾したりしているところも、人間には理解し切れていない部分ということで、大丈夫だし。
このゆるさが魅力でもあるのだと思います。
シャーロック・ホームズまで飲み込んでしまう、深さが好きです。
そして、実はこの時期のラヴクラフトの作品って、雰囲気がいいですよねぇ。
しかし、今気づいたけど、PHPって、宗教団体だったよなぁ。いいのか、こんなの出してて(笑)
副題の「血族」って、なんだよ~って感じですが。
しかし、ヨグ・ソトースの落とし子よりも、ゴースト・バスターズの面々のほうが、怖いです。
うーん、人間に勝る恐怖はないのかも。
たぶん、コレ、小説読む前からネタとして知っていたんだと思います。有名だしね。
子ども時代に、映画とかで、コレそのものでなくても、似たようなものを見ていておかしくないとおもうんです。
で、コレの原作を読んだ時に、その知ってることを、デジャブみたいに感じて、よけいに怖かった思い出があります。
そして、マンガで読んで、この話のオチと「アウトサイダー」のオチが同じことにはじめて気づきました。
あぁ、そういう話だったのか。
マンガで、これが出るとは……。とかいいつつ、マンガは、解説のおまけみたいな本です。
解説は、けっこうまとまっています。ダーレスについて、ちゃんと評価してある本って、珍しいかも。
日本でも、海外でも、多分、マニアって、知れば知るほど原理主義的になっていっちゃうんじゃないかと思うんですよね。でも、ダーレスあってのクトゥルー神話なんだと思います。
日本じゃ、栗本 薫。って、それこそ、全然、クトゥルーって、名前だけなんですけどね。
でも、1000円は、高い。