藤田和日郎,読書からくりサーカス,小学館,少年サンデーコミックス,藤田 和日郎

からくりサーカス43

昔はおもしろかったけど、最近は、ダメダメとかいわれながら続いていた「からくりサーカス」も、とうとう完結です。

でも、本当に、最近の「からくりサーカス」は、ダメダメだったでしょうか?

わたしは、43巻まで、ずーーっと、一定のテンションを維持してきた希有な物語だと思っています。
そのテンションは、人に優しい、肌触りのいい種類のものではないので、人にとっては重たかったのかもしれませんが、それは決して、「ダメ」といわれる種類のものではなかったのではないかと思います。

なによりも、この物語を43巻かきあげたというが、すばらしいと思います。

たしかに、この物語は、矛盾や、穴がいっぱいあると思います。テンションだけで押し切っていく強引な展開。絶対、先なんて考えてなかっただろう……とか思いますが、人生もまたしかり、本当のところ先なんてわからないんですよねぇ。
だから、

「元気があれば、なんとかなる」

というのは、とても、本当のことだと思うのです。

フェイスレスとまさるの最終決戦。
あそこで、ディアマンティーナや、問いに対するまさるの答えが、あんなふうに決まるなんて、多分、作者だって計算してかいたわけではないと思います。
でも、物語の持つ、テンションがいつも、しっかりとスジの通ったものだったので、しっくりと落ちていったと思うのです。

こういう仕事って、なかなか出来ないんですよねぇ。
キャラクターが生きて、本当に物語をぐいぐいと引っ張っていきました。

完結に立ち会えてうれしいです。

おつかれさまでした。

カーテンコールに、拍手!!

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からくりサーカス42

ラスト1巻なのだそうです。
とうとう、ここまで来たなぁ……。長かったよなぁ……。

って、まだ、終わっていません。
というか、本当に、あと1巻で終わるのか、心配な展開です。

でも、謎はもう残ってないか?
あとは、グイグイとストーリーをすすめていくだけです。

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からくりサーカス41

ギイの最後の役目が、あの役目だったというのは、似合っているのか、似合っていないのか。かっこいいけど、救われないなぁとも少し思います。
でも、秘めた思いを押し通してしまうとフェイスレスになっちゃうんでしょうねぇ。

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からくりサーカス40

フィナーレにむけて、どんどんキャラクターが退場していきます。
でも、ちゃんと、最後に思いっきり輝いて、そして、退場していくのが素晴らしい。

そうか、コロンビーヌだけが、何で少女の姿で再生されたのかは、ずっと疑問だったのですが、ちゃんと理由があったのですねぇ。
そう、彼女が抱きしめられるためには、あの姿になることは、必要だったわけです。
それは、もちろんフェイスレスが考えたことではなく、物語の要求なんでしょう。

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からくりサーカス39

しろがねの生い立ちにしろ、Oたちの生涯にしろ、フェイスレスがなにを考えているということにしろ、いろいろなところが綻んでいます。

それでも、勢いというのがあって、すごい。

さて、こんなけ引っ張って、最後、勝は実はフェイスレスといれかわっていたかもしれないという可能性を残して終わるというのは、けっこう藤田さんらしい悪意だと思いますが……。

少年マンガで、さすがにそれはしないか?

そういえば、コロンビーヌが小さくなった意味は、ちゃんとあったんだなぁ。
これも、計算ではなくて、勢いのような気がしますが。