重力ピエロ
おもしろいけど、伊坂 幸太郎らしく、硬い。
かっちりつくりすぎな位つくってあるなぁという印象です。
そして、スタイリッシュ。
でも、なんかが、ちょっとだけ足りないんだよ~。
おもしろいけど、伊坂 幸太郎らしく、硬い。
かっちりつくりすぎな位つくってあるなぁという印象です。
そして、スタイリッシュ。
でも、なんかが、ちょっとだけ足りないんだよ~。
今回は、ちょっと展開が読めたかな。
読めたからといって、おもしろくなくなるわけではないのですが。ミステリーとしては、「オーデュポンの祈り」、「ラッシュライフ」の方が、上かな?
まあ、「ラッシュライフ」は、超変化球でしたから、こっちはそれを思うとストレート。だから、読みやすさは、断然こっちの方が、読みやすいです。
でも、やっぱり、「ラッシュライフ」と同じく、おもしろさよりも、巧さの方にちょっと目がいってしまいがちな感じです。
まあ、しょぱなの一文から、「巧い」からなぁ。
悪くないんだけどなぁ。なんだろう?
伊坂 幸太郎、2冊目です。
ドンドン読ませるうまさが、ありますねぇ。
でも、この本は、ちょっと巧すぎるだろうという気が、ちょっとした。技巧にはしりすぎているというか……。
まあ、見事に騙されたということなんだけれども……。
物語自体が、どこか破綻していて、エッシャーのだまし絵のように循環構造になっていたらおもしろいなぁとも思ったのですが、「イッツオールライト」は、最初にもどる訳ではなさそうです。
そうして考えると、前作「オーデュボンの祈り」のカカシや、階段を歩く人をベランダから眺める人というのは、作者のことかと思ってしまったりします。
あんまり、こういう全能の存在が前面に出すぎると、ちょっと陳腐に感じてしまうと思うのです。
微妙なバランスで、この作品は、おもしろいの方に天秤が傾いてはいるのですが。
伊坂 幸太郎、初読みです。
読みながら、ずっと、この小説がどこに着地するのかが見えなかったです。
でも、読み終わった今の感想は、すべてが落ち着くべきところに落ち着いているなぁと。
不思議な感じです。
しゃべるカカシとか、絶対にリアルではないのだけども、ものすごく存在感があって、そういうものがあっても良さそうな気がしてくる。
そして、ミステリーかと聞かれると、きっちりミステリーだったなあと。これも、読んでいる最中は、
「ミステリーか、コレ?」
とか、思っていたのですけどもね。
もっと、ハードボイルドに近い物をちょっと想像していたけど、ハードボイルドでは全然なかったです。
読んでいて、暴力的な描写はこの物語の中で、唯一すごく気になる部分でした。妙に、いやなリアルさがあります。でも、その痛みの感覚がないと、このお話は成り立たなかったのかなぁとも思います。
この不思議な感じは、パウロ・コエーリョの「アルケミスト」に似ていると感じました。
なんか、大事なことを知ってそうな感じ。