みどりのマキバオー7
勝負の世界は、言い訳が出来ない。
走れる限りは、ターフにたった限りは、それがどんな状態でありベスト。そして、結果がすべて。
カスケードは、そんなふうに考えている馬です。
そんな厳しさを教えてくれる1冊。
精神的な支柱を失って、さまようマキバオー。
でも、もっと辛いのは、自分が乗馬を許可したばっかりに、そういう結果を導いてしまった飯富調教師だと思います。
でも、彼は、マキバオーたちのために、そして、なによりもチュウ兵衛のために、悲しみを抑えなければならなかったのです。
その部分が、京都の夜の話で、ちょっと見える。
男だ。渋い。
なんというか、泣けるだけではなくて、かっこいいのです。
そして、喜びの絶頂から、どん底に突き落とすこの話の運び方。
今を生きるマキバオーと仲間たち。
素晴らしい。
1巻目から、おぶさんとかは、めちゃくちゃチュウ兵衛に気を遣っていて、それは、いったいなんなんだろうと思っていました。
4巻目読むまでは、わたしは不覚にも気づきませんでした。
それは、「信頼」だったのです。
「生まれて間もないマキバオーをずっと支えてきたのはあいつなんだ!!」
だからこそ、マキバオーのことは、チュウ兵衛に相談して、と考えてきたのですね。
菅助とマキバオーの間にあるものも、同じです。
「みどりのマキバオー」というのは、人と人(いや、動物なんだけど)との信頼の物語なんだなぁと思った。
菅助のムチに泣かされます。
そして、絶対、ギャグだと思っていた「イヌ走り」も、実は伏線。
すごい。