松本零士,読書小学館,小学館文庫,松本 零士,聖凡人伝

聖凡人伝3

早名さんも、とうとう……。というエピソードは、さすがに、ショックでした。
まあ、誤解で良かった。

しかし、松本 零士のすごいところは、自分のやっているくりかえしに飽きないところだと思います。
同じパターンでも、おもしろいと信じて繰り返し繰り返しやっていると、本当におもしろくなってくるみたいな。

物語の区切りに、ナレーションが入るの構成なんて、この人のほとんどの作品で共通しています。でも、それが、様式美みたいになっていると思います。

「世も末だという言葉はあるが
 世の末が来たためしはまだないのだ」

とか、最後のナレーション、ものすごい名言があります。

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聖凡人伝2

しかし、あんまり仕事もせずに、それなりに女の子の出入りもあって、家賃はただ、早名さんからはなぜかとても愛されている気がする……。

けっこう、出戻 始、うらやましい人生では?

まあ、それが、自分の力でかちとったものではないとわかっているから、それに満足できないところがあって、それが男の……という感じなんだろうなぁ。

でも、好きですよ。こういう人。

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聖凡人伝1

これは、はじめて読みました。
「男おいどん」のアダルト版みたいなお話です。

「男おいどん」には、守り神がいて、なんとなく夢があったのに比べて、こちらはちょっと乾いた感じです。なんせ舞台は、首つりの名所みたいなアパート。

でも、悲惨な人生だといいながら(いや、いってないか?)、けっこうヤることはヤっている人生です。

キーパーソンぼい、野田さんが、いきなりあんなことになったのは、ビックリしました。