世界の終わりの魔法使い
多分、たった1つの言葉を伝えるためだけにかかれる物語があるんだと思う。
これが、そういうお話。
彼女こそが、ぼくの奇跡。
でも、待って欲しい。
彼女と出会っただけで、夢のような冒険が始まって、すべてが満たされてしまう。
そんな素敵な彼女。
でも、からっぽの自分は、何も変わっていない。
何も変わらないまま、しあわせになるために必要な彼女なんだから。
出会った瞬間から、ぼくを信じて、ぼくだけを見てくれる。
それはなんて都合のいい。
でも、西島 大介には、
「それは、全部フェイクだよ」
と言ってしまう悪意もある。
そんな都合のいいこと、みんなにおこるわけなくて、残される人間はずっと残される。
「どうでもいいさ」
とつぶやいて。