グイン・サーガ・ワールド5
今回楽しかったのは、図子 慧の「タイスのたずね人」。
豹・美の組み合わせのせいで荒れたか。
これは、凄い。上手い。よい外伝だと思います。グイン・サーガっぽくはないのだけれど。
東京サーガも、グイン・サーガと関わりがあるんだから、だれか続けていって欲しいなぁ。
特に、栗本 薫と印南 薫のダブル薫・サーガ(今、適当にわたしが名前をつけた)の続きが読みたいです。
獅子心皇帝、けっこう女々しかったという……。
そして、ロベルト、それでいいのか?
うーん、あとがきの「熱さ」に比べると、なんか予定調和な感じで終わっています。
まあ、こっから、いろんな人物が絡んできて、凄いことになっていくのかもしれませんが……。
この続きも、グイン本編みたいに、誰か続きを書けばいいのにと思っています。
眠り姫の夜
風が丘恋唄(1)
ローデス・サーガ(2)
(天狼プロダンション)
栗本 薫
全お話、終了。
読む前は、なんじゃそれと思っていた「リアード武侠傳奇・伝」が1番良かった。まとまったいた。
期待していた久美 沙織の「星降る草原」は、おもしろかったけど、描写がくどすぎてスピード感みたいなのがちょっと足りない感じでした。
そして、1番まともなのかと思っていた「宿命の宝珠」は、1番ハチャメチャでした。
栗本 薫のイメージからは、どれも遠いんだけど、最後が1番、栗本 薫ならやらなさそうなことをしていたと思います。
アンダヌスを、真っ直ぐ頼るお姫様。
この人が、後を書き継いでいくのか……。
でも、「それでいいよぅ」という気がします。
まぁ、わたしの希望としては、
「グイン・サーガの続き書いて!!」
と依頼されたら、
「わかりました!!」
と、ものすごいいい返事をして、本編でも、マルガ・サーガでもなく、いきなりローデス・サーガの続きを嬉々として5巻ぐらい一気に書いちゃうような狂な人に、ぜひ、続きを書いて欲しいです。
まあ、
「誰得??」
というお話を、自分の欲望とパストのままに書いていく人のお話なら、グイン・サーガとして追いかけていきたい気がします。
まぁ、新しく始まったグイン・サーガは、まだ出るスピードは遅くて、完結するのかどうかというのは心配ですけどね。
といいつつ、まだ、グイン・サーガ・ワールドも、5巻から8巻まで残っているし、けっこう先が貯まっているので、楽しみにしています。
かっこつけている感じの栗本 薫。
「カルメンシータ・マリア・ロドリゲス。友達あたしをカルっていうよ。敵はカルメンと呼ぶ」
って、日本人だろう?
でも、その言い切りが、なんか、気持ちよくていいんですよ。
そういう人もいるかもしれないと思わせる強さがある。
ある意味、型にはまっているのに、「永遠の0」で感じたみたいな陳腐さがない。うーん、わたしのただの好みかも。
栗本 薫の長編のハードボイルドは、最後のどんでん返しでちょっと今までのドラマを壊しちゃうようなところがあるのですが、これは、短編の連作なので、そういうところもまったくなくて、そこもいい感じでした。
新潮社
発売日 : 1990-11
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