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大島弓子が選んだ大島弓子選集3

そういえば、大島 弓子だけ1が、強烈なキャラクターで物語をぐいぐい進めていくタイプのマンガ家じゃないんですよねぇ。

まあ、須和野 チビ猫や、グーグー、サバたちは、強烈なキャラクターで、これは、「綿の国星」が載っているこの巻の感想として書くことではないのかもしれないのですが。

長編が少ないからか?

いやいや、「たそがれは逢魔が時間」の邪夢だって、ものすごく印象に残っているキャラクターです。
なのに、なぜか、そんな風に書きたくなるものが大島 弓子にはあります。

そして、強烈なキャラクターのはずなのに、狂言回しの役割にまわっていることも多い気がします。

そこが、大島マンガで、ものすごく日常からはなれた状況、物語なのに、不思議とリアルさを感じさせられるところかもしれないと思います。

  1. なんのなかで、「だけ」なのかは謎ですが。 []

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大島弓子が選んだ大島弓子選集2

2巻は、「綿の国星」です。
「綿の国星」は、多分、わたしが1番最初に読んだ大島 弓子のマンガです。

多分、読んだの小学校時代。5、6年の時だったと思います。
単行本だったか、雑誌の切り抜きだったのかは忘れましたが、女の子の間でまわっていたのが、わたしのところにまわってきて読んだ記憶があります。
このときから、仲のいい女子の何人かは、男子の何人かが少女マンガ好きだということを知っていたんだな……。すごい、仲のいいクラスです。

最初の1話は、それで完結しているお話です。だから、最初の1話と、それから続く物語は、作り方が別物です。

最初は、もうものすごく1話目の読み切りの話が好きで、凄いと思っていました。
ネコが人間に成長していくという発想がもちろん凄いし、あの物語の中で、ちびねこの問題、時夫の問題、おかあさんの問題、三つ編みの問題が、絡み合いながら、すーっととけていくところにビックリしたんです。
だから、後の話は、蛇足っぽい小ネタだなぁとどことなく。

これ、文庫になったりするたびに、何回も読み返しているのですが、何回目か読み直したときに、2話以降の話も、凄いと思ったのです。
はじめて読んだときは、なんでペルシャなのかとか、全然、理解できてなかったのです。でも、この子どもの頭の自然な発想のとびかたとかは、あらためて読んでみると、本当にリアルなんです。

今回は、どっちにも、心を揺さぶられました。
1回1回読むごとに、本当に、いろんな発見があります。

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大島弓子が選んだ大島弓子選集1

竹宮 惠子と、萩尾 望都と、大島 弓子は、神様みたいな存在なのですが、大島 弓子は、この2人に比べると、過激さが少ないのだと思っていました。

でも、今の年齢になって、この1冊を読み返してみると、よくこの時代にこんな話をというぐらいに過激ですねぇ。

もちろん、その時代の少女マンガの限界みたいなのはあって、「荘園」ってなんだよとかいうのはあるのですが、心理的なこと、性的なこと、どれをとっても、ものすごく切実で、それでいて過激なことを切り取っていてビックリしました。

大島 弓子のマンガで性をものすごく感じたのは「たそがれは逢魔の時間」なのですが、多分、今このマンガを読んでいる自分と、何年か前にこのマンガを読んだ自分とでは、まったく解釈が違っている気がします。

それでいて、ものすごく不変なものがかかれている。
大島 弓子は、角川に移ってからがすごいと思っていましたが、読み返してみて、そうではなくてはじめから凄いということをあらためて感じました。

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グーグーだって猫である4

ネコとか、子どもに振り向いてもらったときのうれしさは、恋愛によく似ているなぁと、ちょっと思った。

反応が返ってこないときの傷つき度は、恋愛の方が高い気もしますが、振り向いてもらったときのうれしさは、すごく感じます。

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グーグーだって猫である3

あぁ、どんどんネコを拾ってくる大島 弓子は、「はみだしっ子」で、クークーを失った後のサーニンのようだなぁと。

この心理は、でも、なんとなくわかる気がする。
贖罪のようであり、心の隙間を埋めるようであり、でも、そういうものと、まったく別のもののようでもあり。