7月京都ドイツゲームサークル その2 急がば回れがいつも正しいとは限らないお話

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アブ・ディ・ポスト

忘れてしまったゲームが多いなかで、はじめて遊ばせてもらった子どもゲームの事は、けっこう覚えています。
ということで、最初のゲームは、「アブ・ディ・ポスト」です。

「ファミリーで子供と遊ぼう」のページでは、2番目に子ども達に人気のあるゲームとして紹介されています。だから、1回、遊んで見たかったわけですね。

「アブ・ディ・ポスト」は、嵐のなか飛行機で郵便物を届けるゲームです。
嵐のなかの飛行機。届けるのは、人と人とをつなぐ手紙。なんか、それだけでも、けっこう惹かれるものありますよね。

飛行機は、けっこうボロ飛行機です(想像)。カードを引いていって、整備しなければ飛び立てません。
カードには、1点~3点までの点数が書いてあります。このカードを4点分集めれば、飛行機は飛びたてます。でも、点数の少ないあまり整備のされていない飛行機は、ちょっとした嵐で、不時着をよぎなくされてしまいます。だから、カードを集めて、万全の体制を整えてから飛び立つのも作戦です。でも、3点のカードを3枚引いてしまうと、バーストしてしまって、手札の3点のカードをすべて失ってしまいます。

面白いのが、サイコロのかわりに振る「暗雲」です。
これは、雲の形をしていて、5色の玉とのぞき窓がついています。
飛行機を飛ばしたプレーヤーは、これを振って、のぞき窓から見えた色と対応する数だけ飛行機を進めることができます。ただし、黒玉が出た場合は、嵐が発生します。

嵐が発生すると、飛んでいる飛行機は、すべてダメージをうけてしまいます。
ただし、飛んでいるコースによって、ダメージが違います。

飛行機が飛ぶコースは、3種類あります。内側のコースは最短距離で飛ぶことができますが、嵐が吹けば8点分のカードを捨てなければなりません。一番外側のコースは、嵐のとき2点のダメージですみますが、飛行距離がとても長くなってしまいます。真ん中のコースは、その中間で、嵐のダメージが4点です。

ダメージの分だけカードをすてなければならないのですが、このとき、カードのおつりはきません。2点ダメージでも、1点と3点のカードしか持っていないならば、3点のまカードを捨ててしまわないといけません。

手持ちのカードが3点以下になってしまったときは、飛び続けることができませんので、その場に不時着して、カードを引いて整備しなければなりません。
また、カードが0点になってしまった、墜落してスタートに戻されてしまいます。

コースは、離陸時、着陸時以外は、外、中、内と好きに移動することができます。
動かすときはできる限り内側を飛んで、移動終了時には出来るだけ安全な外側にいるようにするなど、コース取りも重要です。

実際に遊んで見ると、3人~6人までのゲームなのですが、たくさんいたほうが、より面白そうなゲームでした。

というのは、たくさんの人が、「暗雲」を振れば振るほど、嵐は起こりやすいわけです。その分、波乱にとんだ飛行が楽しめるというもんです。ヒャッホー。

けっこう性格の出るゲームです。もう、4点たまったら飛び出して、ひたすら最短コースを飛ぼうとする人、もう、充分やろうと思うのに、まだカードを引いている人いろいろです。

「暗雲」を振るのは、飛行機を飛ばしている人だけです。だから、誰も飛行機を飛ばしていないときに、単独飛行をさせれば、嵐にあう確率が低くなります。

でも、誰かがゴールに近くなってくれば、みんな、多少整備不良でも、無理やりにでも飛んできます。
こういうところも、おもしろいなぁよくできているなぁと思いました。
そして、全員、一気に墜落して、カードをためていた人が、1人で悠々と飛び出して行ったりします。

どう飛ぶのがベストか?どのコースがベストか?なにがベストか?

それは、暗雲の出す玉の色と自分の性格だけが知っているという……。

多分、何回もやりこむと、かなりリスクの少ない決まった道というのが見えてきそうなところがあります。基本がスゴロクなので、ちょっと単調に感じるところもあるかもしれません。でも、また、メンバーが変わるとゲームの雰囲気も変わってきそうなゲームです。

簡単なルール、それから、もりあがりがありますので、なかなか、子どもとたちと遊ぶときの導入には、いいのではないかと思いました。

残念なことは、このゲーム絶版で、今は手に入らないことです。

ベストコースが見えてくると偉そうなこと言っていますが、コース取り自体は、結構いろいろな進み方があって、わたしは、

「こういったら、さらに先に進めるよ」

という手を、何回も教えてもらいました。