2014年 3月 湖畔のゲーム会 その1 復活の狼煙的な…
3月1日は、湖畔のゲーム会でした。
調べてみれば、7年ぶりぐらいらしいです。レポート書くのが。
ゲーム自体は、けっこう変わらずに遊んでいるのですが、なかなか、レポートに行き着けないことも多いです。
今回も、書きながら、どうも力の配分がうまくいっておりません。まぁ、それはもともとという説もありますが……。
ということで、ダラダラといきますね。
大聖堂 果てしなき世界
1作目は、ケン・フォレットの小説「大聖堂 果てしなき世界」のボードゲーム。
ゲームのデザイナーは、ミヒャエル・リーネックとシュテファン・シュタドラー。
実は、ケン・フォレットの「大聖堂」という小説は、もう1種類あって、「果てしなき世界」は、その200年後の世界を描く第2弾にあたります。
そして、前作もボードゲーム化されていて、これもデザイナーは、リーネックとシュタドラーです。
多分、この前作の無印の「大聖堂」の方が、初期のワーカープレイスメントのボードゲームとして有名です。
2007年のドイツゲーム賞の受賞作であり、同じく2007年の日本ボードゲーム大賞のフリーク部門で大賞に選ばれています。
「果てしなき世界」の方は、2010年のドイツ年間ゲーム大賞の特別賞をとっているゲームです。
こちらは、ワーカープレイスメントではないゲームシステムです。
実は、前作の大聖堂がボードゲームになったとき、小説も話題になっていて小説を読んで、おもしろかったので、続編の小説も読みました。
まぁ、こういうゲームは、もちろん原作をしらなくてもゲームとして楽しめなければダメだと思いますが、原作をしっている方が、より楽しめます。
といいながら、ゲームを知ってから本を読み出すので、たいがい、ゲームをするときは、原作をしらないことが多いですけどね。
そして、原作を読んだときには、ゲームの方は時期をいっしているという……。
「七王国」とか……、今やったら、絶対におもしろいと思います。白紙さんに借りたままです。すいません。
今回は、和邇之子さんが、この「果てしなき世界」をやったことないのでやってみたいということで、用意することに。
多分、わたしとねぇさんは、おてばんで1回遊んでいるはずです。
で、割とおもしろかった~ということで、このゲームを購入したのだと思うのですが、箱を開けてみると、コマ抜きもされていませんでした……。
所謂、積みゲーというやつですな。
さて、コマを抜いて、ルールを読んで。
……。イベントがカードになっていて、そこに、起こるイベントがテキストで書いてあります。
テキストは、ルールのテキストとフレーバーテキストにわかれています。
小説の中でフレーバーテキストに書かれているようなことが起こって、そのために、イベントのルールが適応されるよということで、基本的に、ルールのテキストさえあれば、ゲームに困りません。
でもこれ、小説を知っている人間は、フレーバーテキストがあれば、さらに楽しめる構成なのです。
で、わたしが購入したゲームは、ルールのテキストの方はシールになっていてカードに貼るようになっています。で、フレーバーテキストの方は、イベントカードの一覧になっていて、そっちにだけルールのテキストと一緒に書いてあります。
最近、りんは、和訳シールづくりが楽しい時期です。
何年かゲームを続けていると、周期的にそういうことがやりたくなる時期が来るようです。ヒサゴのラベルのタックシートと出会ってから、それがそれほど苦にならなくなっています。
ということで、フレーバーテキストのシールも作って、ルールのテキストと一緒にカードに貼ろうと思ったわけです。
で、フレーバーテキストを読んでみたのですが、なんか、違和感が……。
どうも、フレーバーテキストの方は、ゲームと関係ないので、超適当に訳しているところもあるみたいです。固有名詞が訳されていなかったり、お話として違和感があったり。
で、「大聖堂 果てしなき世界」の文庫本全3巻を持ってきて、グーグル翻訳様の力を借りて、変だと感じたのを修正したフレーバーテキストも作ってみました。
これ、結構時間がかかったので、苦労した分だけこの後、数回は遊びたいですねぇ(笑)
ゲームは、4つの時代に別れていて、各時代約11枚ずつのイベントカードがあります。
で、1ゲームでは、このうち各時代6枚ずつのカードをランダムで使います。各時代、だいたい半分のイベントが起こるわけです。
手番に1回イベントカードがめくられて、6枚✕4時代で、24イベントでゲーム終了です。
各時代の終わりには、国王への税金、教会への信仰心、食料支払わなければなりません。
で、これらの支払が出来るように、また、建物を建設したり、医学の知識をつけて病気の人を直したりするために、いろいろな資材を使って行動していきます。
イベントカードは、4隅に資材などアイテムがかかれていて、イベントが読み上げられた後、手番のプレーヤーが、そのカードを好きな向きに置くことで、全プレーヤーがそれぞれ自分の方に向いているアイテムがもらえます。
だから、基本、自分の欲しいものが描いてある隅を自分の方に向けて置きます。でも、それによって相手のプレーヤーにもアイテムがいってしまいますので、あまりにも相手に利するような置き方はためらわれます。
しかも、イベントカードによって、それぞれもらえるものが違います。絶対に自分が欲しいと思っているもの引いたイベントカードのなかにがあるとは限らないのです。
さらに、このイベントカードの置き方によって、利益マーカーというのが動きまして、これは、自分だけのボーナス行動になります。
この利益マーカーがうまく動かないと、損をすることになってしまいます。
だから、このイベントカードを置くというだけで、自分の資材、相手の資材、自分のボーナス行動という3つのことが1回に決まってしまうというシビれるつくりです。
このイベントカードを置く、収入、利益マーカーが動く、手番プレーヤーのボーナスの後に、手番プレーヤーから順番にアクションカードをプレイしてそれぞれのアクションをします。
アクションカードは12種類あります。各イベントごとに1枚ずつ使います。1度使用したカードは、時代が変わるまで使用することが出来ません。だから、1時代に使用できるカードは6枚まです。
このアクションカード、1枚使用すると同時に未使用のカードを1枚捨てなければなりません。つまり、もう、使用しないであろうアクションカードを考えて、計画的にアクションカードを使っていかないといけないのです。
でも、入ってくる資材が、人がどうイベントカードを置くのかということに強く依存していますので、計画が途中で崩れてしまうのです。
今、「羊毛」なんて持ってないからと「羊毛・織物の売却」というカードを捨てたら、なんか、どんどん「羊毛」がたまってきて、しかもイベントで、「羊毛」の値段が高くなった~てなことが起こって、悲しい思いをしたりします(というか、悲しい思いをしました)。
アクションカードには、「特権」という、1回前に自分がプレイしたカードと同じ効果を発揮するというカードがあります。
アクションは、基本それぞれ1時代に1種類ずつしかできません。ですから、効果的にこれを使って、同じ行動を2回するというのは、多分、超重要です。
で、超計画して、次「特権」のアクションをするぞと思っていたら、イベントカードで「特権」が使えなくなったり……。
このイベントがまた、計算したように嫌なときに出てくるようになっている……気がするという。
巷では、マゾゲーと呼ばれている様です。
まぁ、原作の小説自体も、「これでもかこれでもか」と苦労が怒濤のように押し寄せてくる話なので、雰囲気、良く出ています。
「果てしなき世界」というのは、建築とペスト治療が大事な物語なので、ゲームもその路線で行こうと思って計画しました。
点数も、その2つの点数が大きいように思います。
「建築資材」と「医療」を集めていきます。
割と今回は、わたしのところに「建築資材」が集まり、序盤はいい感じです。
和邇之子さんも、ペスト治療を中心に勧めようと考えていたようでかぶりました。
「家は2つないとねぇ~」
と、和邇之子さんは、1時代目で、「家の建設」と「特権」を使って家を2軒建ててしまいます。
「あぁ、それずるい…」
わたしは、自分の家を建築するのが遅れてしまいました。家はアイテムを供給してくれるので序盤に建てると計画が立ちやすそうでした。
家からアイテムを得ることができる「家の収益」というアクションは、2つの家から収益を得ることが出来るので家が2軒建っていないと効率が悪いのです。だから、出来るだけ2つ家をたててから収入を……と思って2つ家を建てたら、建った家がすぐにイベントで潰されるという……。
ねぇさんは、独自路線。「忠誠」がけっこう集まっています。
思っていたのは、利益マスのボーナスで、「国王」、「女王」というのがあって、これは、「忠誠」をもっているとその数だけ直接得点になるので、これをため込んで、一気に逆転を目指す作戦だったようです。特に、「国王」は、「忠誠」持っているだけ点数になるので、これを踏めれば凄いことになりそうです。
ペストの流行が始まるのが、3時代目からです。それまで貯めておいた「医療」で、バリバリ治療していくぞと思っていたのですが、「医療」で上をいかれていた和邇之子さんの後手に常にまわってしまいました。
時代4。
ねぇさんの怒濤の追撃が始まる予定でしたが、最初にめくられたイベントカードが、その時代ずっと「国王」、「女王」の利益マスが使えなくなるというものでした……。
極端な計画が裏目に出たようでした。
ということで、和邇之子さん1位、りん2位、ねぇさん3位でした。
イベントに備えて、まんべりなくというのが大事かなぁ。
まぁ、今回はペストの治療というのがけっこう大事だったのですが、時代4では、いきなり発生していないペストが全部取り除かれてしまうイベントなんかもあり、けっこう、
「うぎゃーへー」
という悲鳴が、聞こえそうなゲームではあります。
地味に地味に、コツコツとがんばってきたことが、一気に崩れて、耐えるのを楽しむ。
そんな感じかな。
多分、この時代には、こんなカードがあるはずだから、出てくるかどうか分からないけれど、対処しておこう的にことを考えられるようになってから、このゲームの真価がはっされるのではないかと思います。
あと、だれも建築をがんばらなくても、時代が進むとともに自動で少しずつ建物が完成していくのは、前作の「大聖堂」と同じです(笑)
多分、3人で遊んだ場合、イベントがないと「塔」は建たないのではないかと思います。
人数4人ならどうなるとか、いろいろためしてみたいです。
あと、苦労して訳してみたフレーバーテキストを載せておきます。
まあしかし、この訳が正かどうかというと、ドイツ語が一切出来ないので怪しいですが
順番は、時代順、フレーバーテキストのアルファベット順です。
そのままというのは、翻訳そのままです。これは、今、公開されているメビウス訳です。
時代1
- そのまま
- 天才マーティンは、新たな巻き上げ装置を開発しました。
まぁ、クレーンというよりは、こっちの方が雰囲気がでるかなということで。 - 商人ボナヴェントゥーラ・カロリがキングスブリッジにやってきました。
商人の名前を翻訳本から取ってきました。
あと、多分、キングスブリッジ「から」ではなくて、キングスブリッジ「に」だと思います。 - そのまま
- 追放者→無法者
英語ではアウトローみたいです。小説では「無法者」にそのルビがふられていました。ということで、小説の翻訳に合わせてみました。 - ローランド伯爵は、マーティンの無節操な弟ラルフをウィグリーの領主にしました。
ラルフは、この小説の中では悪役です。多分、慎重ではなくて無節操とか、粗暴とか、乱暴な感じ。 - ローランド伯爵は、シャーリングへと続く道に通行税を課します。
固有名詞を翻訳本から取ってきました。 - マティ・ワイズはカリスに薬草を原料にした薬の使い方を教えます。
固有名詞を翻訳本に合わせてみました。 - マーティンの建築家としての最初の仕事。ファーザー・ジョフロイが聖マルコ教会の屋根を直すように命じました。
「ジョフロイの父」……は、小説には出て来ていなかったと思います。固有名詞を翻訳本から取ってきました。 - ゴドウィンは、アントニーの死によってキングスブリッジ修道院長になるという野心と陰謀を抱きました。
「狡猾で有名」という元の方があっているかもしれません。でも、キングスブリッジからやってきた訳ではないです。 - そのまま
時代2
- 法律家グレゴリー・ロングフェローは、国王の寵愛を受けています。
法律顧問を翻訳本に合わせ法律家に。 - そのまま
- 貪欲なゴドウィン修道院長は私的な縮絨機を禁止します。そのため、マーティンは街の外に縮絨工場を作りました。
ゴドウィンは、修道院の悪役です。今まで自由にできた羊毛の加工を教会の古い縮絨装置以外では出来ないことにして、儲けようとしたのです。
そうすると、羊毛の加工がはかどらないので、マーティンが街の外に最新式の縮絨工場を作ったのです。
ちなみに、縮絨というのは、羊毛をたたいて柔らかくすることみたいです。羊毛をフェルト化にしているので、フェルト工場というのは、正しいようですが、小説に言葉を合わせてみました。
マーティンは、水車小屋を使って自動で縮絨できるような機械を作りました。 - そのまま
- カリスは全身全霊を患者たちの治療と介護に捧げます。
「一生をささげる」だと、死ぬまで戦っていたみたいですが、最終的にペストに打ち勝ちますので、こんな表現にしてみました。 - 追放者→無法者
- そのまま
- ゴドウィンの助けを得て、エルフリックはギルドの長老参事になりました。
エルフリックは、建築家の悪役。主人公のマーティンの親方で、古い考え方で苦しめたり、いじめたりします。
こいつが、ゴドゥインと組んでギルドの長老参事になったため、マーティンは仕事を干されることになります。
政治家にはなっていなかったと思います。 - 魔女の疑いをかけられ、カリスに選択肢はありませんでした。彼女はキングスブリッジの女子修道院の修道女になりました。
もうすぐ結婚みたいなところで、修道女にならなくてはいけなくなり、それが彼女の運命を大きく動かしていくというダイナミックなイベントです。
元の訳と同じ事ですが、わかりやすいかと思って表現を変えてみました。 - ゴドウィン修道院長は、自分の館を完成させるという夢のために、修道女たちのお金を盗みます。
修道院と女子修道院が、共同管理しているお金だったかな。ということで、元の訳が正しいかもしれません。
「夢」なんていうきれいな言葉でいいのかとい疑問はありますが、まあ、そんな感じです。 - そのまま
時代3
- そのまま
- そのまま
- グウェンダとウルフリックは厳しい農業の仕事に従事します。
多分、固いというのは、英語でいう「ハード」のことではないかと。
この2人は、苦労しながらも、コツコツと生きていきます。 - ペストをきっかけに、キングスブリッジには悪徳と混乱が蔓延します。
次のカードと同じようなことがかかれているこれが変だと思ったので、このカードをきっかけに訳を確かめはじめました。 - そのまま
- そのまま
- そのまま
- マザー・セシリアの死後、カリス女子修道院長とマーティンによって新たな施療所が建築されます。
施療所と病院は、まぁ同じ意味ですが、小説に訳をあわせました。
「セシリアの母」は、「ジョフロイの父」同様、物語には出てこなかったと思います。 - 自分たちがペストから逃れることのみを考えて、ゴドウィンと僧侶たちは森の聖ヨハネ修道院へ向かいました。
なんか、すごい訳しにくい文章だったので、あっているかどうかわかりません。まぁ、自分たちだけ逃げたんです。 - 騎士ラルフはシャーリング伯の称号を授けられました。
ラルフの絶頂期の出来事だと思います(笑) - そのまま
時代4
- カリスは町の門の閉鎖に成功しました。ついに、ペストに打ち勝ちました。
「町の門」という表現が若干ひっかかりますが、なんせ、ペストが入ってこないように町を閉鎖したみたいなイメージです。 - そのまま
- そのまま
- キングスブリッジは自由都市としての権利を獲得しました。
自由都市になるというのは、教会から独立するということのようです。 - そのまま
- そのまま
- マーティンが生きていることこそが証拠です。誰も2回はペストにかからない。
1回ペストにかかったマーティンが、2回かからないということを確かめるわけです。「生命のあかし」は「生き証人」とかそういう感じの意味のようです。 - 伝染病を前にしてできることは懺悔だけだというのが聖職者の見解です。
それ以外の治療をいっさいするなという過激な思想です。 - そのまま
- そのまま
- 上級聖職者に取り入るためには、フェルモンは聖母礼拝堂を建てることを望んでいます。
フェルモンは、ゴドウィンの腰巾着のスネ夫。ジャイアンがいなくなったので、修道院長になろうとします。
マーティンの教会って、なんだよ??
という感じで、シールを作って、カードに貼つて遊びました。
小説を読めば、面白さはアップします。
ディスカッション
フレーバーテキストの訳という、直接ゲームに関係ないところにエネルギー割くのが、大変共感できました。私も、大聖堂ボードゲームの方でイベントカードの訳のシールを作ったことがあるので。
毎月毎月、いろいろなゲームの和訳ルールを作る輸入代理店の人の苦労もわかりますが、できれば原作付きのゲームは原作をひととおりは読んでもらいたいなあと思います。
コメント、ありがとうございます。
まぁ、フレーバーがなくても、充分に悩みどころもあり楽しいゲームなのですが、雰囲気も全部ひっくるめて1つのゲームであり、それをできる限り楽しめたら素敵だなぁと思います。
今までわかりにくいと感じていた「ノミのサーカス」のルールが、「なつのたからもの」をやるとメチャクチャルールすんなりと理解できたりして、フレイバーって、大事だと思ったりします。