はざまの世界

ケビン・クロスリー=ホランド,亀井よし子,読書

ふたりのアーサー2 運命の十字

1番最初に読んだ本格的なアーサー王と円卓の騎士の物語は、マリオン・ジマー・ブラットリーの「アヴァロンの霧」の4部作でした。

それで、けっこうイメージが形作られているので、わたしのアーサー王と円卓の騎士のイメージは、ちょっとゆがんでいます。

その後、マロリーの「アーサー王の死」や、ホワイトの「永遠の王」などをよんだのですが、ちょっと違和感を感じていました。

でも、今年になってからよんだ、サトクリフのアーサー王三部作や、この「ふたりのアーサー」は、あんまり違和感がないです。

「アヴァロンの霧」で強烈に植えつけられたアーサー王の世界観は、多分、キリスト教的な世界とケルト的な魔法の世界の混沌とした混ざり合いだったのだと思います。
そして、そのテーマは、「ふたりのアーサー」のなかでも書かれていて、それが懐かしい感じを抱かせているのでしょう。

現実の十字軍に参加しようとしている少年アーサーと予言の石のなかのアーサー王の物語。
主人公の少年自身が自覚的なように、いろいろなはざまのなかに、世界はできています。
隠された真実。正しいことへの憧れと自分の弱さ。まぶしい女の子達。自らの未来と責務。

次巻で完結ということで、続きが楽しみな物語です。