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愛でなく5 パーム14

たった1つの問題が解決したように見えたとしても、世界がよい方にかわっていくわけではない。
解決したと浮かれて他の問題を忘れてしまうこと、好転したと先送りにしてしまうことは、とても危険です。

でも、なにかをなしとげれば、はしゃぎたくなるのも、人間です。

「愛でなく」は、恋愛編ということで、ジェームズとシドの恋愛を中心に、ビアトリス、フロイド、ジョゼ、カーターとジャネット、アンディとオクヨルン、アイリーンとケリー、フリスとソア、いろいろな恋愛がえがかれています。

その中で、多分、ジェームズとシドの恋愛だけが、先に続いていかない。
なぜなら、2人ともに自分のするべき目的、義務があり、それが、まったく別々の場所にあることをしっているから。
自分が、目的のない場所に行って死んだようになることをしっているのと同様に、相手も、もしまちがった場所にとどまれば死んだようになることをしっているからです。

うーん。ジェームズ自身も、もしかすると、積極的にならなかったのは、その手詰まりを知っていたからかもしれません。

ソアの闇をのぞき込んだフリス。人ごとではなくなっているから、その闇が自分自身に突き刺さります。

そして、ついに、ジェームズとシドが…。
でも、これで、終わらないところが、獸木 野生のすごいところ。その直後に、オワキングの問題で、シドとジェームズを対立させています。
ある意味、生き方が違う。

そして、生き方が違うにもかかわらず、お互いにとって、お互いが、とても大切な、重要な人間だという。
すごいです境地です。

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愛でなく4 パーム13

前進的治療というのは、理想ではあると思うのですが、なかなか凡人には手を出していいのかどうかわからないところです。
ジェームズのような天才だから、間違えずに処置できるけれど、失敗すると影響が全体に出てしまう可能性がある気がします。

もっとも、専門的な治療も、細部と全体はつながっているので、全体に影響していくわけですが……。

躁状態のジェームズは、けっこう新鮮でおもしろかったです。
わたしも、アンジュラと同じ感想です。

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愛でなく3 パーム12

フロイドとビアトリスの出した結論が、けっこう好きでした。

それから、アイリーンも、かわいらしいと思います。

アイリーンと、フォアウッドは、けっこう似ているところもあると思うので、彼の恋愛も、語られることがあるのでしょうか?

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愛でなく2 パーム11

このアンディの成長編は、読んだ当時からすごいショッキングでした。

マンガのなかで、こんな風に人の成長が描けるというのにビックリしました。
ものすごく急激な成長でありながら、ゆるやかで無理なく、そして、共感できる成長のしかただと思います。

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愛でなく1 パーム10

「パーム」は、文庫版でなくてコミックス版をもっているのですが、「愛でなく」の途中からコミックスが手に入らなくなって中断していたのです。

だから、「愛でなく」が文庫になって読めるようになったのは、とても、うれしいです。

昔読んでた時は、恋愛編で、恋愛のことが中心だと思って、環境問題の方はおまけみたいなもんだと思っていたのですが、今回読んでみると、実はそっちの方がメインで、恋愛問題はそれに付随してでてきている感じです。

ちなみにわたしは、「愛は鶴亀」カータータイプでした。ほんまかいな……。