多重人格探偵サイコ14
スペア……とかいうと、つい、この話も摩陀羅サーガのなかに入っている気がします。実際、入っているのか?麒麟とかも出てくるし。
スペアであっても、魂は違う。育ち方が違ったら別人だろう。
では、魂というのはなになのかという話になってきますね。
聖神邪が、本物の摩陀羅を求めたように。
そうすると、テーマ的には、やっぱり、摩陀羅と一緒の話なのかも。
シュウが……。
鼻血出したりしていたし……。
なにがあって、どんなまとめ方をするつもりだ。体調が悪くてメディカルチェックにひっかかって、アスミに……ぐらいの展開しか考えてなかった。
乗り越えていかなければならないものが、増えていきます。
いろいろするなぁ、夢枕 獏……。
まあ、友だちが多いというのは、芸の幅があるということで、いいことだと思います。でも、読者的には、好きな物語の幅は、けっこう狭かったりするんですけどね。
で、思うのは、こんなものよりは(ひどいね)、アレの続きは?と思わないでもない。
落語とかは、あんまり聞かない方です。というか、知らない方です。きっと、聞くとおもしろいとは思うけれど、今は、自分の視野には、入ってないですね。
そこに、引っ張り込まれるだけの魅力は、今のところ、この本にもない感じです。
でも、安部 晴明のお話は、おもしろかったです。
昔、家に聖書を売りに来た謎のクリスチャン(主に兄が対応)が、多くの時代、多くの人の手によって書かれた、これだけ膨大な書物なのに、聖書には、矛盾する記述がなにひとつない……とか、言っていたが、読んでみれば、矛盾だらけの書物です。
あれ、売りたいだけで、実は自分は真面目に読んじゃいなかったろう……。
あと、わたしが自分で対処した謎のクリスチャンも、キリスト教徒にならなければ、最後の審判で救われない的なことを言っていたけれど、それも、嘘ですね。
そんなこと、全然、聖書には書いてない。
そんな、クリスチャンすらしっかりと読んでいない聖書ですが、読んでみると、おもしろさは、たしかにあるのです。
で、この本は、聖書がどうやって成立してきたか、どんな意図で編纂されたかという研究を寄せ集めた感じの1冊です。
期待したのは、もっと、独自解釈がいっぱい出てくるような「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなお話だったのですが、けっこう、キリスト教的な世界観にとらわれているところもあって、読み進めながらこれは、外国のキリスト教の影響の強い国で書かれた本だと途中まで誤解していました。
日本人だったのね。
結局、西洋の研究をまとめたものなので、そんなキリスト教の世界観に引っ張られたものになっている感じです。
聖書の中で、物語としてのおもしろさは、やっぱり、聖書中、福音書にまさるものはないと思います。イエス・キリストの物語ですね。この本も、福音書のところが、特におもしろいです。
真実のイエスは、聖書の中にはいずに、物語としての意図が強いという話は、わたしには納得できるものですが、けっこう、キリスト教を信じている人にとっては、衝撃的なのではないかと思います。
本自体は、今までされてきた聖書の研究について、いろんな説をまとめて読みやすいです。ここに、日本人的な飛躍が入ると、よりおもしろくなったかもと思いますが、そもそも、「おもしろさ」がテーマの本ではないので、これでいいのでしょう。