夏目友人帳22
「友人帳」の最初の物語が語られる22巻目。
これだけストレートに、長く、レイコのことが語られたのは、22巻目の今回が初めてではないでしょうか。
今、夏目がいるということは、レイコは何らかの形で伴侶を得たということでもあり、そのあたりも、実は結構気になっています。
友だちとのこと、術者とのこと、そして、妖怪たちとのことと、語ることも確実に広がって、このお話はいったいどこに着地するのでしょうか。
はじめに言葉ありき。
ということで、玉手匣を開けての真葛の物語は、なんと物語の世界を再構築して、もう1度、天地創造までもどって、終了します。
…という、解釈で正しいよね。
物語のなかに隠されたたり、物語のなかに封印された、隠された女神の真実を、正しい形に語り直していくお話であったようです。
まあ、晴明が飲まれてしまって、真葛が驚いてたときには、ちょっと、
「おい、君がこの物語の作者じゃないのか」
と思ったりしたのですが、まあ、物語が作者の思惑さえもこえて進んでいくのは、よくあることのようにも思います。
というか、あとがき読んでいると本当の作者の岡野 玲子さんも、まじで手探りというか、お筆先でかいているみたいで、ビビりました。
それで、ここまで、何もかもが、ピタッとハマっていくものか……。
なんというか、前作のマンガの「陰陽師」7巻目ぐらいだったかな。いろいろな場所をめぐりながら、あきらかになる天地のことということで、あの気持ちよさを思い出していました。
まあ、濃厚すぎて、ちょっと読みにくくなっているところもあったのですが。
「玉手匣」というお話が、綺麗に閉じた感じがします。
日常の中にロボットが出てくる傑作マンガが3つあって、「ちょびっツ」、「僕の妻は感情がない」、そして、「まるいち的風景」。
ロボットの性能という意味では、まったくどれも違うのですが、本質は、どれも同じことを伝えようとしているような気がします。
ちょびっツのパソコンたちや、ミーナたちが人間に恋することができるのかどうかはわからない。でも、高度な彼女たちは、人間を守ろう、出来る限り傷つけないようにしようと行動する。また、まるいちたちにできるのは、ただの人間の行動のトレースです。
でも、多分、魂はあって。
多分、その魂を宿らせてしまうのは、人間(ユーザー)の方で。
魂が宿ってしまったものを人間は、大切にせずにはいられない。
それはもしかすると人間のバグかもしれないとも思うのですが、そこが、面白いところだとも思えてきます。