三国演義1
「封神演義」の安能さんということで、けっこう宝貝がとびかう妖怪大戦争みたいな「クワン」みたいな三国志を期待していたのですが、けっこう普通。
うーん、これこそ正しい「演義」という感じなのかなぁ。
人の思いのこまかいところは、安能版らしく、ちょっと皮肉な感じですが、ストーリーの運びは、めちゃくちゃオーソドックスです。
でも、それなりに読みやすいところが、メディアファクトリーからでているマンガ版の「三国志」とちょっと違うところ。
見せ方しだいということですねぇ。
謎のインド人(笑)にはじまるこの物語。
そう、ぼくが子どもの頃ぐらいまでは、こんな風に、世界は妖しくて広くて、偏見に満ちあふれていたんだなぁと。そして、ワクワクがたくさんあった。
で、今は、世界は狭くなり、それなのに混沌として、やっぱり偏見に満ちあふれているという。そして、ワクワクは少なくなった気がします。
それは、ただ単に、自分が年を取ってしまっただけなのかも……。
「怪人二十面相」に比べると、どうしても、2作目はおちるような気がしますが、それでも、子どもにとっては、ジェットコースターのような物語だと思います。
読んでいる途中で修羅場が入って、かなり間をあけてから後半を読んで、後半しかあんまり覚えていないので特にそう思うのかもしれませんが、
「少年探偵団あんまり活躍してないやん!」
前は、二十面相逮捕までの大活躍だった気がするのですが(笑)
これって、仮面ライダーの元ネタみたいなお話ですねぇ。
蝙蝠男は出てくるし(笑)
そして、ぼくらの仮面ライダー隊……じゃなくて、少年探偵団たちは、大活躍でした。
というか、二十面相の今回の目的は、ただ単に、少年探偵団の子どもたちを怖がらせることだという……。
二十面相……そして、乱歩……。素敵だ(笑)
B・Dバッチや、社会に貢献しようという少年探偵団たちの性格をついた罠には、正直、ドキドキワクワクと感心しました。
そして、洞窟の罠では、
「ご苦労!!」
と言ってあげたいぐらいです。
……なんで、子どもを楽しませるためだけに(笑)そこまで……。
見習わなければなりませんねぇ。
「ワハハハ……、これはおかしい。これは傑作だ。明智君、君は探偵小説を読み過ぎたんだよ。小説家の幻想に慣れすぎたんだよ。如何にも探偵小説にありそうな結論だね。ワハハハ……、実に傑作だ。こいつは愉快だ。ワハハハ……」
この諧謔、これが、乱歩の本質なんだなぁと。
だから、悪者も、正義の味方も、生き生きしています。
以下、ネタバレありです。
こんろん山ときんごう島。
なかなか、封神演義なお話になってきました。
裏表紙のおらすじには、「三国志にいたる実際の歴史を大胆に解釈する」とありますね。
「三国志にいたる」ということは、三国志のまっただなかに活躍した英雄たちと、妖怪の大バトルというのは、あんまりないのかな。