よりぬき陰陽師
「陰陽師」からいろんな人が、好きな1編を選んだ選集。
まあ、選考の時に、作品がかぶったりしたのかしなかったのかとかは、わからないです。
けっこう、数があるから、そんなに被らないかなぁ。
まあでも、わほたしなら「生成りの姫」とか一択になるかなぁとか思いながら読んでいました。
どっちかというと、ホラーというか怪談よりなんだけれど、なかには笑える話や、しんみりする話もあり、やっぱり幅広くおもしろいですねぇ。
「ロスハルデ」、「クヌルプ」、「放浪」と、放浪する主人公、彷徨する魂のお話。
真面目な「車輪の下」とかとは対極のお話かな。それでも、「車輪の下」でも、やっぱり主人公が求めていたものは、魂の自由だったので、もしかすると、全部同じ話だといってもいいのかも。
もちろん、「ペーター・カーメンツィント」とかも彷徨するお話だと思うし1、ヘッセのかいたお話というのは、まあ、一貫しているのだなぁと。だから、ヘッセが好きなんだなあと思います。
わたしの中では、夢枕 獏の主人公が(特に「キマイラ」とか、彷徨するのと、同じカテゴリーに入っていたりします。
でも、今回読んでみて思ったのは、本当に根無し草になりたいと思っているのではなくて、故郷を中心にグルグルまわっている。
まあ、スナフキン的な彷徨なんだなぁと。
あと、「放浪」を読んでいて気づいたのですが、この人、真面目なときほど神様から遠ざかって、自由に勝手気ままになればなるほど神様に近づいて行く。なんというか、不思議な矛盾というか、ジレンマがあります。
でも、たしかに、心のままに無理なく生きることが、神様の御心にあった生き方であるのかもしれないと思ったりします。
クヌルプの最期の神様からの全肯定は、まあ、彼自身の思い込みかもしれないのですが、それが感じられたらしあわせであろうなぁと思うのでした。
はじめに言葉ありき。
ということで、玉手匣を開けての真葛の物語は、なんと物語の世界を再構築して、もう1度、天地創造までもどって、終了します。
…という、解釈で正しいよね。
物語のなかに隠されたたり、物語のなかに封印された、隠された女神の真実を、正しい形に語り直していくお話であったようです。
まあ、晴明が飲まれてしまって、真葛が驚いてたときには、ちょっと、
「おい、君がこの物語の作者じゃないのか」
と思ったりしたのですが、まあ、物語が作者の思惑さえもこえて進んでいくのは、よくあることのようにも思います。
というか、あとがき読んでいると本当の作者の岡野 玲子さんも、まじで手探りというか、お筆先でかいているみたいで、ビビりました。
それで、ここまで、何もかもが、ピタッとハマっていくものか……。
なんというか、前作のマンガの「陰陽師」7巻目ぐらいだったかな。いろいろな場所をめぐりながら、あきらかになる天地のことということで、あの気持ちよさを思い出していました。
まあ、濃厚すぎて、ちょっと読みにくくなっているところもあったのですが。
「玉手匣」というお話が、綺麗に閉じた感じがします。
これは、10年ぶりに読むの「玉手匣」の続き。
メチャクチャ、お話の途中で読まなくなった「玉手匣」。本当に、こんなふうに読むのをやめてしまって浮いてしまっているお話が、けっこうあります。
きのうの記憶もあやふやなのに、10年前に途中まで読んだお話を憶えている訳がないという。
でも、これがなんとなく、腐女子・ 真葛が想像(創造)している物語みたいなものだったのは憶えています。これって、わたしの勝手な解釈だったかも。
今、自分の中で空前の「平安」ブームで、平安時代の物語という流れで、これの続きを読み始めたのでした。
で、読んで見て、腐女子・真葛。いよいよそんな感じがしてきた。
着地点は、まったく見えないな。