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さいはての島へ ゲド戦記3

この巻も、なんかワン・アイデアで、話を作っている感じです。
そして、典型的な、貴種流離譚。

ちょっとは、今までよりは、派手にはなっているのかな。
世代交代が、微妙にできていない感じが……。

ゲド戦記は、もしかするとこれから後の作品の方が、ル・グウィンの考え方も変わってきて面白いのかも。

アーシュラ・K・ル・グウィン,Ursula K. Le Guin,
清水 真砂子
岩波書店
発売日:2006-04-07
 

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自閉症だったわたしへ

題が、多分、ダメだと思います。
まるで、今、自閉症であることが治ったみたいに見える。でもこれは、そういう話ではないですよね。
まあ、原題の「NOBODY NOWHERE」1よりも、わかりやすいという判断なんだろうけど……。
それに、この題でなければ、たしかに、ぼくも手に取っていない可能性があるのだけれど……。

解説にも書かれていますが、ものすごく、共感をもって読むことが可能です。でも、その読み方にも、注意も必要です。

それは、想像力。
「彼女」は、「わたし」だと思って共感するのは とても大事なことなんだけど、それだけでは、前に進まない問題を、いっぱいこの本は含んでいる。
多分、自閉症の人とぼくたちは、全く別の言葉をもっている。
それは、どういうことかということを想像してみること。

例えば、人生で出会った中で、一番理解できなくて最悪だと思った人のことを思いだしてみる。
「言葉が通じない」と思わなかったか?
相手が人間の心を持っていないのではないかと傷ついたりしなかったか?
だれかと、

「こんな困った人がいる」

と話して、共感したことはないだろうか?

もしかしたら、共感してくれる誰かがそばにいてくれる「わたし」が「彼女」なのではなくて、「わたし」を傷つけた相手こそが、誰にも理解されない「彼女」なのかもしれない。

自閉症の人と関わっていくというのは、その言葉が通じないという思いの繰り返しで、多分、ぼくたちは、自分の言葉、自分の物語の中でしか人を理解できない。
彼女が彼女の物語の中で、人を理解しているように。

だから、この物語は感動的であるけれど、ものすごく一方的な物語でもある。
この物語で糾弾された人たちに対して、外から、

「そんなことは、許されない!!」

と言うことは可能だけれど、それだけではすまない問題をぼくたちは宿題として抱えている。
もちろん、「彼女」がどう感じたかという感じ方、考え方は、大切にしながら。

もし、自閉症の人の言い分に耳をかたむけることができれば、論理が通っていると感じることはできるかもしれない。でも、それを理解することは、基本出来ない。

だから、ぼくたちにできることは、自分が受け入れることが出来るキャパシティを出来るだけ大きくしていくことだけです。それも、膨大な、試行錯誤から出てくる経験知(しかも、その中のわずかな例外を参考にしないといけない)で。
100人の中にたった1人しかいない人の言葉を理解しようというのだから。

自分の感傷に浸ってる暇なんてない。
なにか、理解できないこと、理解できない人に出会ったとき、その人の言葉と自分の言葉が違っているのではないかと想像し、省みること。
これは、実はかなり難しいのではないかと思います。
でも、これから、していかなければならないことです。

大切な何かを、切り捨ててしまう前に。

どこまでの彼女を守ることができるだろう?
でも、信じていることは、理解し合うことができれば、おそらく、反社会的であったり、非社会的であったりすることはなくなるのではないかということ。
その「反社会」、「非社会」という概念そのものが、文化の中でわかっていくものだとしても。

祈りのように。

ドナ・ウィリアムズ,Donna Williams,
河野 万里子
新潮社
発売日:2000-06
 

 

  1. 「誰でもなく、どこでもなく」かな? []

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アストニッシングX-MEN デンジャラス

「X-MEN ギフテッド」の続き。
けっこう、ちゃんと続きが出ているので、嬉しいです。
まぁ、ヴィレッジブックス、ちょっとお値段高い目だけど。

今回は、デンジャールームが牙を剥きます。
ちょっと、エグセビア・プロトコルとよく似た感じで、プロフェッサー以外のミュータントの弱点は、みんな知り尽くしています。

まぁ、デンジャールームにしても、エグセビア・プロトコルにしても、全部、プロフェッサーが作ったもので、それに、プロフェッサーがしっぺ返しをうけるのは、自業自得な気がします。
そして、その度に、信じていたのにひどい目に遭うミュータントこそ、かわいそうです。
だいたい、人、信用なさ過ぎです。このテレパス。

そして、ヘルファイヤークラブかぁ。おもしろくなってきた。

ジョス・ウェドン,Joss Whedon,
ジョン・カサディ,John Cassaday,
石川 裕人
ヴィレッジブックス
発売日:2010-07-30
 

 

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三幕の殺人 クリスティー文庫9

サタースウェイトって、どこかの本で出てきたような…。
え~と、ハーレークィンの本だったかな?
たしか、クィン氏がヒントを与えて、実際の探偵は、この人がしていたような……。

そうすると、これは、2人の探偵が顔を合わせるなかなか豪華なお話ということになるのかな。しかし、探偵の腕前の方は、「ぼくら」の栗本 薫と伊集院 大介ぐらい違います(笑)
恋愛がらみの事件なので、サタースウェイトの世界にポアロがやってきたという感じで、その辺りも、栗本 薫っぽいと思ったりしますが、多分、こっちが元なのもか。

なかなか、上手にだまされた。わたしは、まだまだ、推理小説を楽しめそうです。

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あたしと魔女の扉

なかなか、ドキドキ、ハラハラしながら読めました。素敵なジュブナイルだ。

どんでん返しについては、まぁ、予想通りなんですが、母親が、恐れていることというのが、読んでいる間は、今一つつかめなかったんですね。
でも、最後まで読んで、納得した。自分も、

「いつか、自分も魔法を親に…」と思いながら、「いつか自分も娘の魔法を…」と思ったんだろうな。それはたしかに、ものすごい恐怖だ。

さて、救いの道は、あるのか?次が楽しみです。

ジャスティーン・ラーバレスティア,Justine Larbalestier,
大谷 真弓
早川書房
発売日:2008-10-09