蛍火の杜へ 愛蔵版
「夏目友人帳」じゃないのか……。とか、「愛蔵版」の意味がわからないとか思って、買ってから暫く(3年ぐらい?)読んでなかったのですが、これ、傑作ですねぇ。
無茶苦茶、切ないお話です。
なんの前知識も無しに、ただただ、ぜひ読んで欲しいです。
今回は、泣いてしまうのはなかったけど、なんだか状況が動いていく感じがあって良かったです。
特別編の2編も、今と比べると遠くまできたな思わせるもので、ここに配置されているということも、計算されている気がする。
この人は、キャラクターの微妙な距離感をかくのが、本当にうまい。
的場との距離も、これからどうなっていくのか気になります。
夏目のはなしも、レイコの話も、どっちも、いいです。
レイコなんて、はじめはただの乱暴者かと思ってました(笑)
でもなんか、寂しさが見える感じです。
今回も、ちょっと長い目のお話が2編です。
前巻ぐらいから、物語の密度がギュッと詰まってきたような気がします。何というか、涙腺がゆるゆるになっているのは、年のせいだけではないと思います。
見えぬけれどもあるんだよ…。
そう歌った詩人が、決して幸せな一生を送ったわけではないことは知っているけど、願わずにはいられません。
幸せにと。
ちょっと長めのお話が2つ。どっちも、いい話で大好き。
不月神が、悪ではなくてそういう役割を背負った存在であるということがよく伝わってきた。
それは、実は、悪意があるよりもより残酷なのかもしれないけれど。
その残酷さを司る、もっと上位な存在というのは、いるのかもしれないと感じる。
あのラスト、「ゆめのかよいじ」を思い出した。去るものがいれば、新しく生まれるものもいるのだと信じたい。