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贖いの聖者

無垢ななにかが、ぼくたちを救ってくれる。
そういう物語が、消費されていた時代だったのです。

でも、現実には、すがられた無垢なものは、耐えきれなくてつぶれちゃう。
救済の物語は、すがる側だけしか理解できないものであったりしました。

そんな中で、すがるのではなくて、捨てていき、自分の足で立つことで、自分自身をすくっていこうというこの物語は、とても、新鮮でした。
けっして、成功しているとは、いえないけれども。

やっぱり、ついていくことは、メチャクチャ魅力的に見えます。
ここではないどこかに、だれかに手を引いてもらって。

その誘惑は、なんどでも、なんどでも、人を襲います。