長編…

吉野朔実,読書

ジュリエットの卵1

えーと、「いたいけな瞳」を読んで、感想に

「もしかすると、この人は短編の方が繊細かも。」

なんて書いたのですが、実は、長編を読んだ記憶というか、どんな作品があったのか、あんまり覚えていない……。

ということで、本棚から、「ジュリエットの卵」を出して読んでみる。

すごいフワフワした作風ですが、実は、けっこう悪意にみちているかも……いや、この言い方は、間違っているなぁ。出てくる人は、けっこういい人たちだと思います。

でも、それを外側から見る作者の目って、すごく厳しいような気がする。厳しいというか、突き放している?
ちょっと、これも違う気がするが……。

えーと、例えば、わたしは、苫子さんとか好きです。

「あなたキレイだもの。おなたのお兄さんもキレイだもの。それだけで充分、私には毒なのよ…」

そんな風に、恋敵に素直に言えてしまう人というのは、なかなか、すごいと思います。

あと、生きるためには、誰かに依存するだけではなくて、自分に依存してくれるだれかが必要なこととか、けっこうシビアなことをかいてます。