長谷川四郎 ちくま日本文学全集46
え~と、思想的なことはなんかよくわからないんだけど、左系の文学なのかな?
でも、プロレタリア文学なんかと違って、不思議なおもしろさがあります。
軍隊ものも、なんか反発しながらものすごくなじんでいる感じのところもあるし。
「阿久正の話」とか特におもしろかったです。
左な人なのかとも思うのだけど、それも、笑ってる感じもある。
ものすごく、引いた感じというか、目線。
これ、何だろう?
昔、ちょっと好きだったんですよ。志賀 直哉って。といっても、それほど読んでたわけではないんですが。
志賀直哉の印象としては、……ストーリーがない。だったのですが、初めの方の作品は、そんなこともなくて、志賀 直哉、なかなか書けるじゃないかとか、めっちゃ上から目線で思っていました。
でも、円熟してくるにつれて、やっぱ、ストーリーがなくなってくるようでした。
うーん、作者のこだわりと、読者(というかわたし)のこだわりとが、見事なまでずれています。それは、エッセイみたいなやつを読むと、良くわかる。
「書けてる」、「書けてない」と言うけれど、意識して書いているだけが「書けてる」ではないし、意識していなくても「書けてる」場合はあると思うのだけど、どうだろう?
これが、評論家的な見方なのかねぇ。
えーと、この本が出たのが1992年だそうです。今から、18年ぐらい前ですね。
多分、当時、この巻までは買って、「ちくま日本文学全集」を買わなくなっていたんです。
この当時、この全集の企画は、全50巻。あとで、10巻伸びましたが。あと、8巻だったのに、力尽きたのです。
まあでも、十数年後、 全巻そろえたわけですが。
続かなかったのは、経済的な理由もあったと思うけど、きっとこのあたりから、知らない名前が増えてきたためだと思われます。
で、武田泰淳。この人も、知らない。わたしの文学史のなかには、ない名前だ。だいたい、読み方も、わかりませんでした。たけだたいじゅん?えっ、それで、あっているのか?
「秋風秋雨人を愁殺す」以外は、全部おもしろかった。でも、1番長いこの話が、イマイチ。それって、どうよ。