小山田いく まんが昔ばなし傑作集3
人情話とエロ話。
どっちも、泥臭いっちゃあ、泥臭い。
でも、その感じが、小山田 いくとかたがみ よしひさの魅力なんですよねぇ。
このあたり、耕平ちゃんが疲れているって昔は理解できなかったんですよねぇ。
だって、物語の主人公というのは、そんなふうに行動するもので、その自分の行動に疑問を持つというのは、けっこう、今のお話でも珍しいんでないかと思います。
格好良くて、もてて、なんでもできて、スーパーマンみたいに思っていたマンガの主人公ですが、実は、生身で、しかもおっさんにさしかかった戸惑いもある人間であるというふうに、たがみ よしひさは、ちゃんとかいている。
そして、そこは、たがみ よしひさがお話をかいているときに感じていたことなのではないかと思ったりしています。
で、その逡巡がなければ、「風は激しく」みたいな展開に自分で納得してもっていけなかったのだと。
でも、後に薫さんに「どうして…………」と言わせるだけの俯瞰した目というのは残している。
あれも、当時読んだときは、なんで薫さんはこんなにキツいことを言うんだろうと思ったけれど、今読めば当然出てくる言葉です。というか、その後、みんなとちゃんと付き合っている薫さんの度量の深さを感じます。
あと、耕平ちゃんは、ロスのことも、けっこう本気だったんだなぁとか。
たがみ よしひさの初連載ものなのかな。
「精霊紀行」に比べると、ものすごくこなれていますねぇ。
これと「めぞん一刻」が、「ビッグコミックスピリッツ」の創刊号から載っていて、別格でおもしろかった。
というか、何故か、父が、「ビッグコミックスピリッツ」の2号を購入していた。そして、小学校時代のわたしが、それを読んでいたという。
父は、そんなにマンガに興味があったわけでもないはずなのですが、流行り物に弱いな人だったので、それぐらい「スピリッツ」っ、その頃、話題になっていたということなんだと思います。自分の趣味とか関係なく、流行り物にはイッチョカミしておく人だった。
まあ、その父のミーハーな属性のせいで、「サラダ記念日」にも、「ビッグコミックスピリッツ」にもリアルタイムで触れられたので、そこは感謝しています。というか、それはそれで、子どもにはけっこういい影響をもたらしていたのかも(笑)
今読んでも、この展開、人間関係、なんでこんなマンガがこの時代に出てきたのだろうかというのが、本当に謎な、唯一無二なマンガだなあと思います。
昭和の空気はあるけれど、ちゃんと、おもしろいしねぇ。
フォロワーは出たけれど、マネしきることはできない。1つのマンガの中で、いろくな絵柄のキャラが共存しているというのも、この人のマンガがハシリだ……というか、他にそんなマンガあんまり思いつかないです。
いや、等身の低いキャラとシリアスキャラみたいな違いだけではなくて、例えばシリアスな耕平と二郎とかでも、絵柄が絶対違いますよねぇ。
あと、女性キャラの髪型やファッションが、ゴロゴロ変わるマンガというのも、なかなかなかったし。