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目羅博士の不思議な犯罪 江戸川乱歩全集8

目羅博士の不思議な犯罪

ありえねぇ~。ということで、どっちかというと、ミステリーというよりホラーなのかな。
いや、ホラ話というのが、正確なのかも。

でも、ちょっと単純すぎるきらいはあるけど、乱歩の世界なんだなぁと思います。
けっこう、好きです。

地獄風景

ゴールテープの話あたりから、なんか、狂気のコメディみたいになってます。
そして、最後のオチが……。

でも、わたしの持っていた乱歩のイメージって、こんな感じです。かなりエスカレートした感じです。

恐怖王

喜多川夫人、怪しすぎです。

まあ、それ以外は、通俗小説として、けっこうおもしろいと思います。
うーん、乱歩自身の評価は、悪いみたいですけど。

偶然に頼りすぎているような気がしますが……。
うむ、ホームズでも、あったのか……。

火縄銃

これは、使い古された感じのトリックなので、けっこう先が見えていましたねぇ。
でも、これはこれで、悪くないと思います。

殺人迷路

なんじゃこりゃ。
えーと、連作小説の乱歩のパートだけを取ったものです。

わかるか!!

悪霊

ちょっと、期待されすぎな感じでかわいそうですねぇ。
しかも、わざわざ、お詫びの言葉まで書いている……。

できは、乱歩が自分でいうほど、悪くないと思うのですが……。

多分、乱歩は、自分の書きたい小説と、自分が書ける小説の間に、ものすごくギャップわ感じていたんだと思います。

でも、乱歩が書ける小説の世界が、わたしはけっこう好きです。

妖虫

これは、犯人から動機まで、読めてしまった。

いや、あんな派手なことしなければ、絶対に捕まらないのに……。でも、悪いヤツは、悪いヤツなりの美学でもって、やらなくてもいいことまでやってしまうのが、乱歩の世界。

パン。

と見栄が決まるよさがあります。

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緑衣の鬼 江戸川乱歩全集11

緑衣の鬼

これは、原作があるからかもしれませんが、スーーッと読めたし、犯人もわかりました。
あと、誰と誰が共犯かもわかったので、わたしとしては、めずらしいケースだな。

で、おもしろかったかというと……び、微妙だ。

幽霊塔

雰囲気は、「緑衣の鬼」よりこっちの方がいいですねぇ。

以下、ネタばれありです。

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透明人間 江戸川乱歩全集16

透明怪人

「よんじゅうめんそう」ではなくて、「しじゅうめんそう」なのだよ。

いやぁ。「幻の女」なみに強引なトリックだ。
しかもなんか、まだとけていない謎もあるような……。

しかし、敵は二十面相以外にいないのだろうか。

怪奇四十面相

ポストと本の背表紙は、素晴らしい。
ブラボーー!!と笑ってしまいました。

これは、王道っぽいお話でいいですね。
まあ、小林少年が活躍する分、二十面相というか四十面相の方は、だいぶん間抜けになっていますが。

しかし、髑髏な人たちは、なんであんな格好をしていたのか……謎だ(笑)

宇宙怪人

はじめのうちは、SFだったらどうしようと、ドキドキしました。
なんせ、全世界規模のスケールですから。

犯人は、あいつだろうと思いつつ……どうやって説明するんだろうかと、ちょっと心配までしてしまった。

しかし、このテーマは、けっこうすごいですよ。この時代から、このテーマってあったんですねぇ。

ふぅ・うぉっち・ざ・うぉっちまん?

畸形の天女

これは、続きがよみたいなぁと感じさせられる一編です。
リレー小説は、多分、1番最初を書くのが、1番楽な気がします。

タイトルも、惹かれます。

女狐

うーん。
こっちより、「畸形の天女」の方が好みです。

やっぱり、基本的にミステリー向きな読者じゃないな。わたしは。

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続・幻影城 江戸川乱歩全集27

まぁ、「くそくらえ!」まで言っちゃうと、ちょっと言い過ぎかもしれないですが。

でも、本の感想を書く理由って、自分の楽しさを伝えて、その本を誰かに読んでほしいと思うからじゃないですか?
そういう意味では、乱歩のこの本って、評論としては甘いかもしれないけど、その役割は、達していると思います。

乱歩、メチャクチャ楽しそうです。

まあ、この人らしく、膨大な資料を集めてやっているので、ついつい、「評論」とか、「論文」を期待したくなるのかもしれませんが、この本の目的って、結局、世に推理小説を流行らせたいとか、紹介したい……いや、オレは、こんなにおもしろい推理小説をこんなにたくさん読んだぞ~と言うことなんじゃないかと思います。

しかし、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズや、チェスタートンのブラウン神父が、けっこう昔の作品なのは知っていたけど、クリスティや、アイリッシュの「幻の女」、チャンドラーなんかも、けっこう昔からあったんだなぁと知って、ビックリしました。

わたし自身は、本格推理ものよりも、ハードボイルドの方が、読みやすいんですけどね。
でも、これ読んで、ホームズとブラウン神父は、ちょっと読み返したくなってきた。

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三角館の恐怖 江戸川乱歩全集15

青銅の魔人

少年探偵団の敵は、二十面相しかいないのでしょうか?

パターンなんだけど、乱歩自身が、けっこうこのパターンを楽しんでいるような気もします。

虎の牙

うーむ。犯人は、熱狂的な阪神ファンと見た……。
違いました……。

犯人は、はじめからわかっているので、少年探偵団ものっていうのは、推理小説ではなくて、冒険小説ですね。

と、知っている人にとっは、言わずもがなのことを……。
いや、わたしは、はじめて読むから。

断崖

こういう、短編は、好きですねぇ。
それから、乱歩の書くこういう悪女も、けっこう好きです。まぁ、間違っても、わたしと関わりになるタイプではないけれど。
というか、物語の中だけで生きている女って感じがするから、いいのかも。

だれか、自分よりかしこい人間が出てきて、その「運命の人」が、自分の悪事を止めてくれるのを待っている感じがあります。

これは、「黒蜥蜴」にも通じるものがある。

三角館の恐怖

推理小説好きの人は、奇抜なトリックを、「面白い!」と感じられる人なんだと思います。
ある意味、大人だ…。

実は、わたしはというと、奇抜なトリックには、ひかれないのです。というか、イマイチ、ちゃんとした推理ものだと、なにが書いてあるのか理解できないときもあるという……。

まあ、推理ものは、乱歩とクリスティだけおさえとけばいいか。