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四畳半神話体系

この人の本の題名から、おもしろそうだなぁと思っていて、表紙の絵とかのイメージで、女性作家かと思っていたのですが、男性のようです。
京大生のぐたぐたキャンパスライフとちょっと不思議ということで、「鴨川ホルモー」に似た印象ですが、最初読んだ感じ、あれほどぶっ飛んでいないし、惹かれる感じも弱いかなぁと。
あんまり、この主人公の性格とかが好きでないというのもあるのかもしれません。

と思っていたのですが、読み進めて、お話のループな感じの構造に気づくと、めっちゃおもしろいです。最終話で、いろんな謎がとけていくところも痛快でした。

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偉大なる、しゅららぼん

しゅららぼん県民の必読書(笑)
小説版を読みました。

長さの割には、なんかすごい展開は少なかったような気がします。
うーん、逆に、「鴨川ホルモー」は、あんなに短いのに、なんであんなに詰まっているんだと思うんですけど。
でも、この本は、そのなんともいえない日常感がよかっです。

万城目 学は、一人称の方がおもしろいなぁと思います。「マドレーヌ夫人」は、けっこう好きなんですけどね。あれは、いろんな人称が混ざっていた感じかな。大阪は、イマイチのらなかったので、ちょっと心配していたけど、これはけっこう好きです。

まぁ、わたしが住んでいた湖南の方や湖西の方と、この小説の舞台である湖東や湖北は、やっぱりちょっと風景が違うのが残念でしたけどね。

最後は、イーゴスで対決とかしてほしかった……。今はもう、イーゴスなくなったけど。

マンガ版の方が、棗の妹とのエピソードなんかは、ちょっと膨らませてありますね。

映画も、公開。うーん、ドタバタ劇ではなくて、渋い感じで淡々とした映画になると楽しそうな気がします。

ということで、映画も見てきました。

バッサリやられていたなぁ。
ものすごく上手に作ってあって、原作に忠実に作るのならこれしかないなぁという物語のカットの仕方だったのですが、原作とマンガを知っているものとしては、ちょっと不満が残るかなぁ。
日常の積み重ねが少なくなってしまっている感じでした。
淡十郎は、人間には見えなかったけど、ああいう生き物として存在してそうな感じがしていて、そこは良かったです。

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秘剣こいわらい

京都を舞台に和邇氏の活躍を描きます。

和邇といえば、もちろん、湖西の和邇でしょう。だから、多分、小野氏、そして、聖徳太子につながっていく……。
てなことを考えられるのは、地元ロマンの良いところ。

まぁ、そんなことをすっ飛ばしても、関西舞台の不思議な青春物で、わたしは、鴨川ホルモーを思い出しました。巧みさは、ちょっと万城目 学には負けていますが、同じにおいがする。
こっちの方が、アホ度が高い。でも、それは突き抜けているということで、悪いことではないです。

ラストの1文の意味が一瞬分からなくて、わかった瞬間、爆笑していました。

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鹿男あをによし

ベラボーにおもしろいです。

ちょうど、この本を読む直前に、ねぇさんにさそわれて奈良にいってきたので、余計にそう思えるのかも。
平城京跡のあたりを歩いたのですが、まさに、この本に出てくる景色がそのまま広がっていて、もう、目の前にその風景が浮かんで浮かんで、こんなに突拍子もない話なのに、またしても、

「これ、ホントーの話だから」

とか、言いたくなってきてしまいました。
うん、この人の小説は、ぶっとんでいるけど、リアルだ。そんなことがありそうな気がする。

まあ、このタイムリーな奈良行きにはタネがあって、先に、この本を読んでいたねぇさんが、奈良に行って、この本の風景を見たいと思っていたのだそうです。
で、ならでは、いろいろこの本の話がしたかったのですが、まだ読んでいないわたしのためにグッと我慢していたそうな。

あっこに、サンカクが埋められていたんだよなぁ……。

どおりで、なんか寂しそうな建物なのに、けっこうしつこくねぇさん行きたがっていたはずです(笑)

以下、ちょっとだけネタバレです。

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鴨川ホルモー

メガネをかけた栗山 千明ちゃんのビジュアルを見たときから、メチャクチャ気になっていた「鴨川ホルモー」でした。
自分のなじみがある京都が舞台だし。

まぁ、映画のCMとかを見ていた感想としては、おバカなお話なのかなぁと、高をくくっていました。すいません、見くびっていました。

もう、メチャクチャにおバカで、面白すぎるぐらいに面白い、青春な、大嘘つきな、でも、なっとくの物語でした。

久方ぶりに小説を読みながら、爆笑しました。そんなアホな~。
でも、でも、なんか、無理な展開が、理屈にかなっている気がするんですよねぇ。

なんというか、上手につかれた壮大なアホな嘘って、思わず、自分もそれにのってしまいたくなることって、ありませんか?
わたしは、この嘘に、のってしまいたくてたまらなくなってしまいました。

「なんか、祇園祭で、毎年、そろいの浴衣で新入生連れてる大学生がいるよね。あれ、実は…」

とか、

「上賀茂神社で、奇声をあげながら裸で踊り狂う集団を見た。あれ、実は…」

とか、

「オレの兄貴は京産大の出身で、『玄武組』っていう謎のサークルがあって……」

とか、

「京都のまん中で、ホルモーと叫ぶ人を見た!」

とか、メチャクチャ言いたくなるのですが(笑)

それはやっぱり、自分の見知った風景であるということも大きいとは思うのですが、それを差し引いても、絶対に面白いぞ。

そして、これだけおバカなお話にもかかわらず、青春で、スポコンで、どこかで、「あるある、そういうこと」と思わせてくれる。

これは、最高の嘘だ。

読んでる最中に、たまらなくなって、「鴨川ホルモー」の映画のサイトにいって、予告編なんかを見ました。
そうすると、

なんじゃこりゃ?味方同士で戦ってるやん?

みたいに思ったのですが、これもちゃんと、小説読むと、理由がわかりました。奥が深い(…深いのか?)

小説も良かったですが、映画は、映画としての動きの良さ面白さもプラスされている感じですね。
そのうち、DVDを借りてきて、見てみよう。

万城目 学
角川書店,角川グループパブリッシング
発売日:2009-02-25