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陰獣 江戸川乱歩全集3

さて、2003年から読み続けてきている「江戸川乱歩全集」も、残すところあと2冊。「探偵小説四十年」の上下巻でおしまいになります。
長かったと思うのですが、全部、読んでこれたというのは、やっぱり江戸川 乱歩が、とてつもなく面白かったのだと思います。

「陰獣」と「芋虫」が、この本の中では良い感じですね。普通な評価ですな。そういうものです(笑)

「陰獣」は、最後、ぼかしてあるとこが批判されているみたいだけど、アレはもっと深読みするんだ。わたしは、真犯人がきっと別にいて、それを分からなくするためにあの小説が書かれたのだと思っています。つまり、春泥の本当の正体は……。
そして、それを暴けという、乱歩からの挑戦なのです。
だから、あのラストの思わせぶりな言葉があるんだよ~と、信じています。

「芋虫」は、話自体は知っていたけど、読んだのは初めてです。ミステリーでも何でもないじゃんと思いながら、けっこう、想像していたほど陰惨な印象はなかったです。
どうなんだろう。今なら、書くことも、発表することも出来ないのかなぁ。

それはそれで、難しい時代だと思ってしまいます。