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1分間勉強法 本当に頭がよくなる

これ読むと、正しい詐欺のしかたがよくわかります。
構造的には、昔にはやった「ノストラダムスの大予言」と同じです。

ものすごく前半で調子良いこと言って、あおって、あおって、後半、ちょっと情報をだす。正しい情報と、確かめにくい情報。
そこには、ちょびっとだけ、実は前半おあっていたことで本当のことは、ちょっとしかないんだよなんてことも書いてある。

「前半はあおってただけだから、真に受けちゃダメじゃん……。良く読まなかった自己責任だよ……」

みたいな。
でも、読者が知りたいのは、あおっている部分で、そこに読者が食いついているのは、もちろん作者は自覚的。

で、この本の正しい情報っていのうは、「自分の能力で解決できないことは、1分間では勉強できない」という、ほぼこの本を手に取った人の希望を打ち消す事実(まぁ、そりゃそうだ)。
だから、要するに、頭の中に「犬」とか「1+1=2」なみに定着していないことは、1分間で読んでも理解できるわけがない。

で、確かめにくい方は、本を1000冊「買って」読めみたいな……。「買って」が重要で、これ、図書館で借りたり、本屋で立ち読みではダメなんですよ。1冊1分で読めるはずなのに(笑)

要するに、

  1. まず、学習したいことをしっかり理解して
  2. ノートにまとめて
  3. 何回も、復習しましょうね

てなことなんです。

いや、まっとうなこと書いてるじゃないか……。
というか、なら、前半、いらんやんみたいな。

作者がこの方法でうまくいったというのが本当ならば、多分、この人前半で、自分は無茶苦茶無理な勉強をしたと否定的に書いていたけれど、その無茶な勉強の努力が実っただけなのではないかと思います。

いや、努力が実ったのなら、それはそれでいいのだけれど、その努力の部分をわざと隠して、ハウツーとして売るのは、詐欺だろうと思います。

でも、この本の巧妙なところは、「ちゃんと、ぼくが努力したってことは書いてあるでしょ」というところですね。
電話料金0円、でも、適応には細かい条件がありますと、メチャクチャ小さい字で注意書きがしてある。アレと同じ手口です。

だから、これから、人を騙して金儲けしようと思う人には、けっこうサンプルとして参考になるような気がします。

今、並行して、岡田 斗司夫の本を読んでいますが、あっちの方が、志がはるかに高いです。
だめだこりゃ。