腰抜け愛国談義 半藤一利と宮崎駿の
半藤 一利さんという方は、知らないです。けど、三国志についての対談本が出ていたので買いました。
「バカの壁」の人との対談よりは、おもしろく読めました。
まあ、それでも宮崎 駿は、基本的に人の話聞いちゃいないんですけどね。
それでも、政治的な話が全面にでないで、自分のマニアな趣味とかが中心になっていた方が魅力的だし、素直で楽しいと思います。
心性としては、実は宮崎 駿って、百田 尚樹とそんなに変わらないと思います。
ストーリーは、凄くいい。
実際、最後の2章なんて、寝る時間を削って読み進みました。
主張していることにも、ものすごく納得できます。
でも、なんだ?このノレなさは。
これが、小説ジャンなくてルポタージュなら、超感動したと思うんですよ。
小説であっても、多分、回想の部分が、三人称で書かれていたら、もうちょっと入り込める気もするのですが。
何だろう。
老人たちが、自分たちの戦争体験を蕩々と話す。
「それは昭和○○年、○月○日のことじゃ……」
事典?なんか、カンペでも見て話しているような感じがして、しかたない。
「そして、わたしはそのとき、妻を思いっきり抱いたのじゃ」
って、そんなこと、この世代の人たち、絶対に言わないからと思ってしまいます。
そして、この主人公兄弟と新聞記者のなんか、薄っぺらさ。
うーん。特効に対する主張、海軍やマスコミに対する問題提起(それは、今への問題提起でもある)は、ものすごく正しいと思うのです。
でも、それをなんか生きていない登場人物を通して見せることで、なんか全部嘘くさくなっている気がする。
うーん。主張したいことはわかるし、共感もするのだけども、物語というか小説としては、おもしろいとは感じなかったです。
だから、もしかしたら映画とかマンガは、もっと面白いのかもしれないと思いました。
うーん、わりとわたしは基本原作至上主義者なんですが。
デビュー作だから、粗のかなぁ。
本屋大賞の「海賊とよばれた男」は、面白いのかな?あわない物はあわないような気もする……。
映画見た方、どうですか?