トラウマ映画館
映画に関する個人的な思いでみたいな感じがおもしろいです。
なにかを吸収していく時期というのは、名作とか、駄作とか、そういうこと関係なしに、なんでも取り入れる時期なんだなぁ思いました。
もしここで、「これは評価が高い」とか、「これは世間的に駄作」とか、そういうフィルターがかかっていたら、多分、今の作者はないのかも。
だから、今までのエッセイ以上に、作者の生の声がはいっている感じがしました。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」という本があって、ちょっと題名が格好いい。そして、表紙のイラストも素敵な感じです。
で、新潮文庫で、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の文庫を見つけた時に、こっちもあって順番に読んで見ようということで、購入。
いや、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」とか、「THIS IS JAPAN」という題名から、もっと軽いエッセイみたいなものを想像していました。町山 智浩みたいなやつ。あれよりも、もうちょっと、ウェットな感じかなぁと。ブレイディ みかこという名前も、ペンネームだと思っていたしねぇ。
1章読んでみて、ビックリしました。ガチガチのストロングスタイルじゃねぇか。
でも、おもしろい。そして、日本の常識が、必ずしも常識でないことを思い知らされる。そこには、良いところも悪いところもあるんだけどもねぇ。
なんというか、日本人の労働系の組織って、簡単な内部闘争させられて弱体化されることが多いなぁと。これは、労働そのものに過剰に価値を置いてしまうからかもしれない。優秀な人が早く仕事が終わったら、無償でヘルプに行かないといけないみたいな雰囲気はあるよねぇ。学校でも、自分のことが終わったら人を遊んでないで人を助けろと教えられるし。まあ、それが必ずしも悪いというわけではなくて、わたしなんかは、それに助けられているのはたしかなのだが、それでも、そういう「仕事」の価値は「お金」ではかれないみたいな美徳の部分が弱点になって、いいように分断させられている感じはします。
思ってたのと違ったけれど、それなりにおもしろかったり、考えさせられたりしました。