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緑の少女 最終戦争シリーズ2

自我系の暗黒めぐる銀河の魚

これも、凄いかっこいい題名ですよねぇ。中二なんて、言葉がまったくなかったときのこのSF感覚。
そして、内容も、ものすごく閉塞感のある今だからこそ理解できるものはあるのですが、ものすごい絶望的なお話です。もう、多分マンガの中で、1歩も2歩も、前を歩いていたと思います。

SF指向、歴史指向のある24組の中でも、特別ですよねぇ。

これが、唱の初登場。
多分、唱は、竹流をもてあそんでいる。もしかすると、やりたいことは竹流の才能を潰すことだったのかもしれないと思います。

市会議

主人公は、竹流から小角に。
この流れ、そして、「緑の少女」、「パトロール」という流れ。ものすごい広がりがはじめから仕組まれているのがわかります。

まあ、この状況の中、この時期の小角が、かなりニヒルなのも仕方ないと思います。

緑の少女

この後、竹流の活躍がなく、いきなり「パトロール」に物語が展開していくというのが、この閉塞感のある未来の世界の絶望を表していると思います。

この歴史とSFを合わせる手法は、あとの少女マンガ家にものすごく影響をあたえて、今日でも、その影響下にあると思われるマンガは多いです。

パトロール

ついに、「敵」の一端が明らかになる。
唱は、こうみると初めから、特別な存在だったようですね。

火星人と竜の城

最近の絵柄の作品。
いつもは、バーツマコの恋バナが多いのですが、珍しく、ダ・マーヤの方のお話です。

でも、詩集の手紙とかを見てもわかるように、基本、この二人がデキているので、他の人はあんまり入る余地がないという。

セラフとザンベジ川

この話、妙に好きなんですよねぇ。
ときどき、あっち側に行ってしまいたいというような気持ちに、ものすごく共振してしまいます。

なんか、そういうこともあるかもしれないと思えてきます。

さらに新しい絵柄だと思う。目が大きいし。

「セラフとザンベジ川」に続いて、永遠に生きていく2人のちょっと悲しい感じのするお話です。

まあ、短すぎて、どんな事情があって殺されて幽霊になったのが、相手がどれぐらい悪いヤツなのかは伝わった来ない部分はあるのですが。
主眼はそこではなくて、流れていく時間にあるのです。

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<勾玉>の世界 荻原規子読本

荻原 規子の特集本。

<勾玉>の世界ということで、対談は、割とファンタジーよりの話をしていますが、小説は、「潮もかなひぬ」以外は、上田ひろみシリーズです。

うーん、わたしが読んだ上田ひろみシリーズは、「これは王国のかぎ」だけです。これは、他の荻原作品に比べると、ちょっと、鬱々としたものがある感じです。
で、今回入っている上田ひろみシリーズは、その習作みたいな短編です。「これは王国のかぎ」よりも、さらに鬱々としていて、微妙な感じ。
あまりにも、現実に近すぎるのかなぁ。昇華し切れていないものが残っているような気がします。

でも、基本的に、インタビューとか対談は、好きなんです。どこから、物語が生まれてくるのかというお話とかは、おもしろいです。
「潮もかなひぬ」を読むと、ちょっと「空色勾玉」が読み直したくなってきました。
文庫版、読むか?